シャープが液晶ディスプレー事業を行う亀山工場(三重県亀山市)などの生産規模を縮小する方針を示して14日で1カ月。県と亀山市の肝いりで誘致し、一時は一貫生産した液晶テレビが「世界の亀山モデル」として一世を風びした。同社は亀山工場の従業員のリストラなどを実施しないとしつつも「配置の最適化を行う」と表明。市民からは存続を不安視する声も上がっている。 「工場が完成した頃は朝から夕方まで工場と亀山駅のピストン輸送で月160万円稼いだ。今ではその区間のお客さんは1日1組あればいい方。寂しいね」。タクシー運転手の男性(62)はさみしげな笑みを浮かべた。市内の不動産業者も「シャープの従業員向けに建てた集合住宅に空き部屋が目立つ。特に最近はワンルームが供給過剰になっている」と肩を落とした。全30室のうち20室が空室の物件もあるという。