歴史の玉手箱がまた一つ開いた。 小倉百人一首の選者とされ、鎌倉時代を代表する歌人、藤原定家の自筆本が子孫である京都市の冷泉家で見つかった。 失われたと考えられていた古今和歌集の注釈書「顕注密勘(けんちゅうみっかん)」だ。写本が重要文化財に指定されているが、原本だけに、研究者は「国宝級」と評価する。 和歌は日本文化の源泉の一つといえる。今後の研究成果に期待したい。発見されたのは上中下の3冊で、中と下の2冊が定家の自筆原本と確認された。上は後の当主による写本で、原本は火災で失われたらしい。 和歌の奥義を伝えるという特別な「古今伝授箱」に収められ、蔵の中で明治期以来約130年間、開けられなかったという。歴代当主は一生に一度開けて書写するなど、研究を重ね研鑽(けんさん)を積んできたそうだ。 内容は、歌学者の顕昭による注釈に、定家が自説を付け加えたものである。現代に至るまで和歌研究のみならず、国文学
書店が苦境に立たされている。娯楽の多様化やインターネット通販の伸長、電子書籍の一般化などを背景に店舗数は減少を続け、日本出版インフラセンターの調べでは、平成16年度に全国で1万9920店あった書店は、令和5年度には1万927店まで減った。〝知の集積地〟ともいえる書店をいかに残していくか―。都内で長らく営業を続け、文化的基盤として地域を支える「非チェーン系」書店に、現状と生き残りの秘訣(ひけつ)を聞いた。 〝ニッチ〟で差別化本の街として知られる神田神保町。1890(明治23)年創業の老舗、東京堂書店は、3フロアの売り場に幅広いジャンルの書籍がそろい、特に人文書や文芸書のラインアップには定評がある中型店だ。 注力するのは、細かな需要を拾い上げること。各ジャンルで担当者が分かれているが、それぞれが出版社や著者と独自に交渉し、発行部数の少ないものでも必要であれば仕入れることを重要視している。「その
平川祐弘氏佐伯彰一氏が旧制富山高校の学生だった時、確か小林秀雄だと思うが新鋭の評論家が富山に来た。文芸講演の後、宿まで行って話を聞くと「作家の全集を読破すれば文学部卒業以上の実力がつく」と言われた由だ。これはまさにその通りで、人間の自己教育の尊さを示唆している。 私も新入生に忠告したい。講義などつまらない。自分で読むことが肝心だ。では私が読んだ作家は何人か。漱石、鷗外、ハーンは作品も手紙も八割方読んだ。この折に、三人の手紙に人間の生死を観察したい。 死を前にしたユーモア
「出演作品をすべて削除する!」人気声優の茅野愛衣が中国との歴史問題で大炎上! 中国国営メディアも煽り報道 「茅野愛衣のむすんでひらいて」ツイッターより 慰安婦問題や徴用工問題など、日韓間で毎日のように報じられる歴史問題。当然、日本と中国の間にも歴史問題は存在しているが、日本との関係強化を掲げる中国はこの数年、日本に対して厳しい批判を避けている。一方、著名人の言動や行動が思わぬ炎上を招くことは珍しくない。今回、人気声優が歴史問題に巻き込まれ国営メディアまでもが報じる事態へと発展している。 中国国営メディア・環球時報(2月14日付)は、「日本人声優が靖国神社参拝を自ら暴露、中国ネットユーザーの怒りを買うも未だ本人の釈明なし」と報じた。この炎上事件に巻き込まれてしまった声優とは、日本や中国でも人気声優として知られている茅野愛衣(33)だ。 2010年に声優デビューすると、『あの日見た花の名前を
『アークナイツ』公式サイトより スマートフォン向けタワーディフェンスRPG『アークナイツ』を運営する上海悠星網絡科技有限公司の日本法人Yostarが、24日に実施した同コンテンツのアップデート内容が物議を醸している。高レアリティ狙撃キャラクター・プラチナのCVを担当していた人気声優の茅野愛衣さんが降板し、北島瑞月さんが代わりに登板することになったのだ。これまでの音声データも北島さんにすべて一新された。 Yostarは「開発の要望により」と理由を説明しているが、インターネット上では「茅野さんが靖国神社へ参拝したことをラジオ番組で明らかにしたことに対する中国国内の抗議活動が関係している」などと指摘されている。 茅野さんの靖国参拝と中国での炎上騒動に関しては日刊サイゾーで、ライターの廣瀬大介氏が執筆した記事『「出演作品をすべて削除する!」人気声優の茅野愛衣が中国との歴史問題で大炎上! 中国国営
明治天皇の后(きさき)、昭憲皇太后の崩御から110年を迎える今月、その事績を改めて振り返る催しが明治神宮(東京都渋谷区)で開催される。6日から始まる展覧会では、昭憲皇太后が着用し、昨年、修復が完了した「大礼服(たいれいふく)」を東京で初めて展示。5年に及んだ修復プロジェクトの集大成となるシンポジウムも開催予定で、関係者は「日本の近代化に尽力した昭憲皇太后の思いを感じてもらえたら」と話している。 現存最古のドレスバラの花や葉の文様に沿い、金属製のモール糸で施された立体的な刺繍(ししゅう)。華麗な長さ約3・5メートルのトレーン(引き裾)の先には、小柄な体に強い意志を携えた女性の姿が浮かぶ-。 明治期、近代化の中で宮中改革を牽引(けんいん)し、皇后として初めて洋装を取り入れたことで知られる昭憲皇太后の貴重なドレスが6日から、明治神宮ミュージアムの展覧会「受け継がれし明治のドレス」でお披露目される
10日、アルゼンチンのブエノスアイレスで鳥山明さんを追悼するため集結した現地の「ドラゴンボール」ファン(ロイター)漫画家の鳥山明さんの急逝を悼む声は世界各地に広がった。とりわけ中南米諸国では、代表作の1つ「ドラゴンボール」が高い人気を得ていたとされ、政界やスポーツ界からの追悼表明も相次いだ。主人公の孫悟空が「英雄」(米紙ワシントン・ポスト)ともいわれるほどの熱狂ぶりだが、何が中南米の人々を魅了してきたのか-。 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは10日、鳥山さんの死去が8日に発表されたことを受け、追悼集会が開かれた。集まった数千人は「アキラ!」などと名前を合唱。ロイター通信は、悟空などの「ドラゴンボール」の人気キャラクターにふんしたファンの写真を配信し、「さよなら、悟空!」と報じた。 政界・スポーツ界から相次いだ哀悼
【読売新聞】編集委員 古沢由紀子 紬 ( つむぎ ) 織 ( おり ) の人間国宝で文化勲章を受け、今年9月に100歳を迎える志村ふくみさん。その「後進」の育て方は、型破りと言えるかもしれない。伝統工芸の世界では工房で弟子を取る
「新潮」「すばる」「群像」の4月号川村元気は、映画の企画・プロデューサーとして「君の名は。」などの製作に携わってきたヒットメーカーだ。一方で、海外で翻訳出版されたベストセラー小説『世界から猫が消えたなら』をはじめ、近年は作家としての仕事も充実している。発売中の「新潮」4月号に発表した新作のタイトルは「私の馬」。読み始めたら、孤独な女性の悲痛な歩みにどんどんひき込まれていった。 ◇ 国道沿いにチェーンのスーパーやホームセンター、中古車販売店などが並ぶ。全国各地でよく目にするこうした風景は平穏な日常の象徴ではあるけれど、あまりの均一さゆえに閉塞感も呼び起こす。川村元気「私の馬」(新潮)もそんな景色をバックに展開する。映画の企画・プロデュースでも活躍する作家らしい映像的な描写と巧みな構成力で、人間のはかない夢を描いた秀作だった。
東京大学名誉教授の平川祐弘氏人格形成人格主義とか教養主義とかが、大正デモクラシー以後の日本の高等教育界には深く浸透していた。若者に、自己による自己形成が説かれたのである。戦後、旧制高校に入学してその伝統に接し、新鮮な感じで実に嬉(うれ)しかった。自我の確立を説く河合栄治郎を私は愛読した。安倍能成(よししげ)、天野貞祐など戦中・戦後の一高校長の訓辞は皇国主義教育とはまるで違う。「人格のピラミッドを形成せよ」と言われた時は、同感しつつも、「ピラミッドよりも富士山のような人格がいいな」とつぶやいた。 敗戦直後、夕刻に学校から帰る道すがら、一面の焼跡の彼方(かなた)に富士山が見えた。日本は負けても滅びず続いていく。そう感じた。ただ中学生で敗戦を体験した私は、旧来の皇国至上主義では駄目だ、自分は二本足の一本は日本に据えるが、他の一本は外国に据えたい、と思った。日本人であるだけでは不十分だ、「日本より
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