もしバスに乗るならば、なるべく後部座席に坐ること。ガラスの近くには身を置かないこと。爆弾犯人は大概、バスに乗車しようとした時点で誰何され、次の瞬間に起爆装置のボタンを押すから、前方の乗車口付近に坐っていると、死亡したり怪我をする確率が高い。街歩きの初心者が教えられたのは、そうした経験に基づく原則だった。わたしも日常的にバスを用いた。幸いなことに、わたしが滞在していた四ヶ月の間、テルアヴィヴでは一度も爆弾騒ぎは生じなかった。 四方田犬彦『見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行』p52 テルアビブという街を歩く上で、初心者に教えられる「街歩き」のちょっとした豆知識。この本の著者がテルアビブに滞在していたのは2004年のことらしいですが、つい最近もテルアビブで銃乱射事件があったりしたので、10年以上経った今もこの街の状況はそう変わっていないのかなと推察します。なお、銃乱射事件の犯人は先日、治安当