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2010年2月1日のブックマーク (7件)

  • 変身 - 春巻たべた

    目が覚めたら巨大な毒虫になっていた。一言で説明するならば人間サイズのムカデである。全身を覆う滑らかな装甲は飴色に沈み、毒腺を隠した顎は死神の大鎌。足音もしゃらりしゃらりと涼やかに、軍隊の如く整列した体側脚はしめて四十七対。悪くない。こいつは素敵にトゥーマッチだ。俺は鏡の前でひととおり自分の体を検分し終えると、顎をカチカチと鳴らしながら、この俺の姿に相応しい最期を思案した。 なんの因果か知らないが、なっちまったものは仕方ない。特段この世に遺恨があるでは無いが、とはいえ今の俺の姿はどう見ても忌まれ呪われ人に仇為すモンスターである。ならば与えられた役をきっちり演じてみせるのが真っ当ってもんだろう。モンスターはモンスターらしく無慈悲に貪欲に人をらうのだ。薄着のティーンやら昼下がりの団地やら深夜のOLやらに背後から忍び寄り次から次へ丸かじりの踊りい、そしてついには人間どもの知恵と勇気に打ち倒さ

  • とうきょう。 - numbness&tingling

    気がつけば今年で実家の長野から東京に出てきて18年だった。長野で過ごした年数と東京で過ごした年数が同じになった。これから先は東京で過ごす時間のほうが長くなる。 東京では6回引っ越した。その都度何かしら学校の事情とか結婚とか何か理由があって引っ越してきたつもりだけど思い返してみればそこから逃げるために引っ越していた気がする。学校を辞めてそこから離れたかった。付き合ってた男と別れて一緒に住んだ部屋から引っ越したかった。6年前に子どもが産まれてからは逃げようにも逃げられなくなったけど引っ越しをするときにはとにかく一切を捨てられてせいせいしていた。わたしは生活した場所に対する思いが希薄なのかもしれない。実家へも帰ろうと思わない。親のためにとかしかたなく帰ることはあってもなつかしい思いで帰ることはない。いま思うとわたしはずっと そうだ。そうだった。ただ生活していた土地には思い入れがある。町並みやお店

    とうきょう。 - numbness&tingling
  • 『ヒストリエ』 岩明均

    フェロモンボディのボディソープを買いました。  スリミング・セルライト対策のソルト系のボディソープとしてクチコミでも割と評価... 「美白フリークの愛用する6つの日焼け止め」で触れたイプサのプロテクター・デイシェルター・ブライトビジョンをまた買いました。 ...

  • 東京サブタレニアンズ - 三分の一、三分の一、三分の一

    Revenge of the Lawn/the Abortion/So the Wind Won’t Blow It All Away/3 Books in 1 Volume: The Abortion ; So the Wind Won’t Blow It All Away Richard Brautigan 鈴木訳/リチャード・ブローティガン短編集『芝生の復讐』より「三分の一、三分の一、三分の一」 いつでも三分の一だった。ぼくの三分の一はタイピングで、彼女の三分の一は編集、そして彼の三分の一は小説を書くことだった。 ぼくたちは印税を三等分しようとしていた。ぼくらはそれに同意してお互いに握手をかわした。お互いがそれぞれやるべきことはわかっていたし、進むべき道も、その先の最後に待っている扉のことも見えていた。 ぼくはタイプライターを持っていたので、その三分の一のパートナーになった。 彼女は

    murashit
    murashit 2010/02/01
    三分の一…は鈴木さん訳のほうが好きなんや!
  • はてなブログ | 無料ブログを作成しよう

    オーベルジーヌ実レポ べ物の鼻塩塩(未だに通じるのかな) オーベルジーヌというカレーをご存知だろうか 都内にあるデリバリー専門のカレー屋で、 ロケ弁などで大人気の格欧風カレーが楽しめるらしい いいな〜 いいな〜オブザイヤー 都内の奴らはこんな良いモンってんのか 許せねえよ………

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  • 未映子の純粋悲性批判: サリンジャー死去

    例えばレストランでイライラしながらスノッブな彼氏に向かってフラニー 「ちゃうねん。張り合うのが怖いんじゃなくて、その反対やねん、わからんかなあ。むしろ、張り合ってしまいそうなんが、怖いねん。それが演劇部辞めた理由やねん。私がすごくみんなに認めてもらいたがる人間で、誉めてもらうんが好きで、ちやほやされるのが好き、そんな人間やったとして、そやからって、それでいいってことにはならんやんか。そこが恥ずかしいねん。そこが厭やねん。完全な無名人になる覚悟がないのが自分で厭になったんよ。私も、ほかのみんなも、内心は何かでヒット飛ばしたいって思ってるやろ。そこがめっさ厭やねん」  例えば居間の床に寝転んで引き篭もりのフラニーに向かってゾーイー 「そやけど俺の気に入らんのはな、こんなもんシーモアもバディも気に入るわけないけどな、さっきゆうてたやつらの話する時のお前の喋り方や。つまりな、あいつらが象徴して

  • トイレ考 - ロマンティックあげるよ。

    便利を求めるのは人間の性、とは言えそれはさすがにやり過ぎじゃ…と思う場面もなくはありません。公衆トイレの話をしています。 公衆トイレ。この便利さはありでしょう。急な便意や尿意のたびに草むらを探すわけにもいかずまして都心部には草むらの存在自体がレア、ようやくの思いで見つけた草むらに他の利用者がいない可能性はほとんどないと思われます。一億総草むら時代が訪れてしまいます。だからこそ、ありがとう公衆トイレ、ありがとうTOTO。 しかし公衆トイレのサービスが「過剰」である場合こちらが面らってしまうという悲劇。今日も草むらいらずに使わせていただいてありがとうございます…と感謝の気持ち、なればこそ「やっていただき過ぎる」とこちらが尻込みしてしまうというか申し訳なくて出るもんも出ないわけですよ。まず第1に勝手に便座のフタが開くやつ、あれはビクっとするね。なんど経験しても全く慣れない。精神衛生上良くないの

    トイレ考 - ロマンティックあげるよ。