幻のアフリカ (平凡社ライブラリー)posted with amazlet at 10.12.06ミシェル・レリス 平凡社 売り上げランキング: 280691 Amazon.co.jp で詳細を見る 1931年から1933年、フランスの民族学研究者グループがダカール=ジブチ間を横断し、フィールドワーク調査をおこなった。『幻のアフリカ』の著者、ミシェル・レリスはそのグループに公的な「書記兼文書係」として参加した人物だ(元シュールレアリストで、彼はこの調査団に精神的な危機を治療するための一種のセラピーとして参加したと言う)。本書はその調査における公式記録として刊行された……ものなのだが、レリスが書いていたのは、通常の研究で見られるような体裁をとったレポートではなく、調査の毎日をレリス自身の目を通して描いたとても個人的な日記だった。そこには性的な内容や、妄想、その日に見た夢、愚痴、そして植民地主