前置き 先日(こう書き出したときは「先日」の範疇でした)の文学フリーマケットで頒布された合同誌に寄稿しました。一昨年・昨年とそれぞれ一万字程度の短編です。そのことについて書きます。 ある程度の量のある文章を書くとなると(この記事もそうだが)いつもいつも、気障でだらしのない遺書をしたためているような大層な気分になり、この二つの短編もそうでした。鬱屈や諦観という思春期に置き去ってしまうべきだったものを今になって遠投しようにも、悲しいかなどれも強靭な紐付きで未だに引きずり回し回されるばかりであり、最近は外国の少年・少女が笑うだけの動画をたくさん見てなんとか気力を出しています。 とは言ってもそんな項垂れが書かれた小説そのものから読んで取れるかはどうだろうというところです。もちろん書いているときにはそれなりの意図や、ともなう試行錯誤があったのでしょうが、もはやいったん書ききってしまえばそれは俺自身に