本記事は百合短編小説レビュー企画『名付けられなかった花たちへ』の第1回です。 前回の記事は以下になります。読まなくても本記事の内容は読めます。 saitonaname.hatenablog.com 第1回:田村俊子「惡寒(さむけ)」(『田村俊子作品集・1』『田村俊子全集 第2巻』収録) 語り手である「私」は「あなた」のことを思い出している。もともと仲のよかったふたりであったが、ある晩を境に会わなくなってしまっている。「あなた」はとある人物との結婚を控えていたが、それを反故にして、おそらくV*1という人物のもとを訪れている。それが届いた葉書から察せられている。「大凡然うであろうと見當を付けたあの晩の私は、その爲にあなたが憎かったのです」と語り、幾度となく「私」は「あなた」に向かって呼びかけ、懐かしい思い出をひとり反芻しつづける。 ハードカバーにしてたった12頁ほど*2の文章のなかに、夥しい数
未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫) 作者:ドミニク・チェン新潮社Amazon 「わかりあえなさをつなぐために」と副題が付けられた、言葉を巡るエッセイ集。僕は大学での専門が言語社会学であり、言語や言葉に関する本についつい手が伸びる。これも営業終了が迫る八重洲ブックセンター本店で衝動買いした。 言語を用いたコミュニケーションというのは、本来はわかりあうためのものではあるはずだが、わかりあおうとするということは、前提として「わかりあえなさ」が存在していたことになる。「わかりあえなさ」をつなぐため、克服するために言葉は渡っていく。と思いがちだが、実際は言葉を交わしたところでわかりあえないことだって多い。コミュニケーションの目的とは実は、「わかりあう」ことには無いのではないか、ということが本書では描かれる。 そもそも、コミュニケーションとは、わかりあうためのものではなく、わ
え!今さら秋の感想を?出来らぁっ! Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ- SPY×FAMILY(13~25話) 万聖街 ぼっち・ざ・ろっく! ロマンティック・キラー ヤマノススメ Next Summit anime197166.hatenablog.com Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ- せるふちゃんの顎の下の撫でるところ。 どっしりした見応えで、かつライトな雰囲気もあって笑顔で見られました。秋は『ヤマノススメ』キャラデザの方が2作にまたがるすごいクールだったね。制作・監督は『かげきしょうじょ!!』脚本は『邪神ちゃんドロップキック』など有名どころ、秋だと『不徳のギルド』も同じ脚本の方だったらしいよ。 まずは新潟県三条市ご当地アニメの一面がありました。新潟にはちょうどこの前行ったことがあって、あの重厚なアーケードとか確かに見覚えあ
日本Haskellユーザーグループ(愛称 Haskell-jp)発起人の一人にして、Haskell-jpで一番のおしゃべり。 HaskellとWebAssemblyとプリキュアとポムポムプリンをこよなく愛する。 This is a Japanese translation of Flexiblly Extend Nested Structures – “Trees that Grow” in TypeScript. 抽象構文木(AST, Abstract Syntax Tree)の扱いに慣れた一部のHaskell開発者の間では、「Trees that Grow」というイディオムが一般的で、Haskellの最も有名なコンパイラ、GHCにおいても採用されています。今回は、この「Trees that Grow」をTypeScriptで実現するにはどうすれば良いかを共有しましょう。 あらまし Ha
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