以下のエントリーの補足。とくに注1に関して。 『ビデオゲームの美学』の「シミュレーション」について - 9bit このエントリーでは、指示と述定という言語哲学的な考え方がモデルと対象システムの関係にも適用できるという発想のもとで本を書いていたということを述べた。それに近いことを言っている論者もいたはずと思って、その後SEPで関連項目をいくつか読んでいたが、私がぼんやり思っていることをほぼそのまま洗練されたかたちで主張しているものがあったので、簡単に紹介しておく。 Scientific Representation (Stanford Encyclopedia of Philosophy) この項目の7.2にあるRoman FriggとJames Nguyenによる「DEKI説」が、私の発想にかなり近い考え方を提案している。この説は、グッドマンの「トシテ表象」と「例示」という概念を援用して、