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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (11)

  • 技術ショックとしての需要ショック - himaginary’s diary

    というNBER論文をタイラー・コーエンが「この種のマクロ経済理論は過小評価されている(This kind of macro theory is underrated)」というコメントを添えて紹介している(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Demand Shocks as Technology Shocks」で、著者はYan Bai(ロチェスター大)、José-Víctor Ríos-Rull(ペンシルベニア大)、Kjetil Storesletten(ミネソタ大)。 以下は文の冒頭。 In the standard neoclassical model, output is a function of inputs such as labor and capital. There is no explicit role for demand because p

    技術ショックとしての需要ショック - himaginary’s diary
  • https://himaginary.hatenablog.com/entry/20240108/

  • 非常な長期における技術とグローバリゼーション - himaginary’s diary

    クルーグマンが、休暇明けにツイートしたりRTしたりした表題の論文(原題は「Technology and Globalization in the Very Long Run」)で、技術進歩とグローバリゼーションの関係について考察している。 論文でクルーグマンは、ロバート・トレンス*1という19世紀の経済学者の予言に焦点を当てている。トレンスは、ある国が土壌や気候の面で絶対的な優位性を持つ商品を除き、国際貿易は細っていく、と予言した。この予言は、マルサスの人口に関する予言と同様に外れたわけだが、外れた理由もマルサスと同様で、その後の技術進歩の勢いを見通せなかったため、とクルーグマンは言う。即ち、国家間で技術が収斂すれば、他の国で作れて自分の国で作れない商品は少なくなり*2、貿易も減退していくと考えられるが、現実には技術進歩が続いたため、なかなか収斂することが無かった、とのことである。 トレン

    非常な長期における技術とグローバリゼーション - himaginary’s diary
    murashit
    murashit 2023/04/27
    SFっぽい話
  • 財政赤字を巡る論点整理の一つの試み - himaginary’s diary

    防衛費の増額など政府支出の増加が求められる中、それを増税で賄うのか、それとも国債発行で賄うのか、という議論が折に触れ再燃している。ここでは、そうした論争における各論者の立場の違いを、自分なりに簡単に整理してみる。 ある年度の歳出と歳入を考えた場合、当年度の歳出を賄うのは税収か国債発行による借り入れに二分され、借り入れは最終的な返済手段によって3種類に分類できる。 当年度の歳出を賄う手段 当年度の税収 借り入れ 借り入れの最終的な返済手段による分類 将来の自然増収 将来の増税 将来のインフレ このような財政の資金調達に対する各論者の立場を大まかに分類すると、以下の3つの理念型に大別される、というのがここでの試論。 均衡財政主義 この立場の考え方は概ね以下の通り。 当年度の歳出はあくまでも当年度の税収で賄うことを原則とすべき。借り入れは来するべきではなく、するとしても資金調達の技術的な要因に

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  • ワクチンの直接的な効果と間接的な効果:学校におけるコロナからの実証結果 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「Direct and Indirect Effects of Vaccines: Evidence from COVID-19 in Schools」で、著者はSeth M. Freedman(インディアナ大)、Daniel W. Sacks(ウィスコンシン大学マディソン校)、Kosali I. Simon(インディアナ大)、Coady Wing(同)。 以下はその要旨。 Vaccines influence the course of pandemics both directly, by protecting the vaccinated, and indirectly, by reducing transmission to the unvaccinated, a key externality. Estimating direct effe

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  • 道具にして規則に非ず:経済学入門で我々は間違った原理を教えているのか? - himaginary’s diary

    Eastern Economic Journalの最新号でDavid Colanderが表題の小論を書き(原題は「Tools, Not Rules: Are We Teaching the Wrong Principles of Economics in the Introductory Course?」)、マンキューの提唱する経済学の十大原理への修正を提案している(H/T マンキューブログ)。 以下はその修正案*1。 トレードオフ原理 フリーランチというものは無いが、時々サンドイッチを掠めることはできる*2。 (標準版)人々はトレードオフに直面している:あるものを得るためには何かを諦めなくてはならない。意思決定においてはある目標と別の目標を引き換えにすることが要求される。 機会コスト原理 機会コストは、明確および明確でないトレードオフに関する経済学者の費用便益の枠組みに焦点を当てるもので

    道具にして規則に非ず:経済学入門で我々は間違った原理を教えているのか? - himaginary’s diary
  • サミュエルソンの8つの功績 - himaginary’s diary

    クルーグマンは12/15ブログエントリで、サミュエルソンの経済学への主要な功績として8つの業績を挙げた。以下に同エントリのその8つの業績の紹介部分を訳してみる。 顕示選好理論 1930年代、経済学者は、消費者の選択に作用する要因は限界効用逓減にとどまらないことを認識し、消費理論に革命が起きた。しかし、人々がある物を選択する場合、買えるにも関わらず選択しなかった別のある物よりそちらを選好している、という単純な命題から、いかに多くのことが演繹できるかを教えてくれたのはサミュエルソンだった。 厚生経済学 ある経済状態が別の経済状態より良いというのはどういうことか? サミュエルソン以前、このことは、所得分配をどうすべきかという話と共に曖昧な概念に留まっていた。サミュエルソンは、倫理的な第三者による再分配という概念を使うことによって社会厚生の概念を理解する方法を示した。それは同時に、現実世界でのその

    サミュエルソンの8つの功績 - himaginary’s diary
    murashit
    murashit 2012/09/10
    こんなにあったのかよ
  • 東日本大震災で回避されたこと - himaginary’s diary

    Mostly EconomicsでCity JournalにClaire Berlinskiが書いた記事が紹介されていた。冒頭では阪神大震災と比較した東日大震災に対する彼女の評価が記されている。正直なところ小生にはその評価が正しいのかどうか判断が付きかねるが、以下に訳してみる。 地震危険度の削減は今日の世界が直面する都市政策にとって最大の課題である。それが言い過ぎだと思うならば、30秒で百万の人々が命を落とすようなことが他にあり得るかどうか考えてみて欲しい。それにも関わらず、地震に関する政策はあまり議論されることがなく、議論されたとしても誤解に満ちている。広島型原爆の6億倍のエネルギーを放出した3月11日の東日大震災を例に取ろう。続いて発生した福島の原子炉の部分的メルトダウンは原子力に対する国際的なヒステリー反応を引き起こしたが、それより遥かに致命的な脅威が回避されたことに気付いた人は

    東日本大震災で回避されたこと - himaginary’s diary
  • 経済学は何の役に立つのか? - himaginary’s diary

    昨今の経済学は科学か?という論争に絡めて、Mark ThomaがHal Varianの「What Use is Economic Theory?」と題された1989年の論文を紹介していた。以下はその概要。 経済学理論を審美的な観点から捉える人もいるが、そうした観点だけでは経済学理論というものの全体像を掴んだことにはならない。経済学は政策科学であり、従って経済学理論も経済政策の理解と遂行への貢献という観点から評価されるべき。 経済学が他の自然科学や社会科学と違うのは、人々の生活の改善をもたらす政策について説明する、と謳っていること。もちろん自然科学も人々の生活水準向上に貢献するが、それは、研究対象の機能の理解という来の知的活動の副産物に過ぎない。 多くの方法論者は、経済学のそうした質を見誤っている。経済学は、物理学ではなく工学、生物学ではなく医学と比較されるべきものなのである。ケインズが

    経済学は何の役に立つのか? - himaginary’s diary
  • 需要を巡る闘い - himaginary’s diary

    と題されたクルーグマンの1/24エントリ(原題は「The War on Demand」)は、大多数の経済論争の質を言い当てたという点で、彼のブログエントリの中でも最重要ランクに位置するもの、と個人的には受け止めた。以下はその拙訳。 大不況とその余波を受けて、何とも奇妙なことが経済政策の議論に起きた。あるいは、今回の出来事が幾ばくかの幻想を取り払い、議論の質を曝け出した、というのが当のところかも知れぬ。それは個々の論点――たとえば乗数の大きさや量的緩和の効果――が示唆するよりも、もっと大きな話である。質的な話は、私に言わせれば明らかに大きな総需要不足であるところの状況を目の前にして、需要側が問題になるという考え自体に対する総攻撃を我々は目撃しているのである。 もちろん、これは今に始まったことでは無い。リアルビジネスサイクル理論は、30年もの間、経済学界で権勢を振るってきた。しかし私の

    需要を巡る闘い - himaginary’s diary
  • タスマニア効果と宇宙植民地化 - himaginary’s diary

    イギリスのSF作家チャールズ・ストロスが、現代の技術文明を維持するのに必要な人口を見積もっている(7/23ブログエントリ)。彼の推定によると、1億人〜10億人の範囲ではないか、とのこと。 ここで上限の10億人は、NAFTA、EU、日台湾、および中国の工業地帯をカバーした人口である。一方、下限の1億人は、たとえば航空産業だけを維持するのにも50万人が必要、という推計から弾き出している。 航空機だけでなく、自動車や携帯電話も今や非常に複雑化しており、多くの細分化された産業を下支えとして必要としている。また、製造業以外のたとえば医療でも、現代においては各分野のエキスパートを数多く抱える必要がある。そのため、100年前と比べると、そうした技術を維持するのに非常に多くの人数を必要とするようになっている、というのがストロスの指摘である。 さらに彼は、1900年には糧供給に労働人口の2〜3割、生活

    タスマニア効果と宇宙植民地化 - himaginary’s diary
    murashit
    murashit 2010/08/16
    10億程度じゃ足りなさそうなイメージ
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