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ブックマーク / yashio.hatenablog.com (34)

  • 小説の商業出版にいたる顛末:八潮久道『生命活動として極めて正常』 - やしお

    小説(短編集)が来月(2024年4月)にKADOKAWAから出版されることになった。その顛末やいろいろ思ったこと等のメモ。 ※このエントリはKADOKAWAの担当編集者や広報に見解を求めて書いていない。「私のケースはこうだった、私からはこう感じた/こう見えた」を記録している。勘違いされるといけないので念のためお断り。 概要 カクヨム(小説投稿サイト)で年に1~2作ほど小説をアップしていた。それ以前のブログ時代からだと20年くらい書いていた。 カクヨム経由でKADOKAWAから単行の刊行の打診があった。カクヨムに過去に投稿した作品5編と、書下ろし2編を加えて短編集とすることになった。 著者側の実作業としては3ヶ月弱程度。 アマチュア時は単に「作品」でしかなかったけど、今回は同時に「製品(商品)」の側面が出てきて色々新鮮だった。 自分が書いたものが物理的なになるのは、単純にうれしい。 目次

    小説の商業出版にいたる顛末:八潮久道『生命活動として極めて正常』 - やしお
    murashit
    murashit 2024/03/02
    めでたい
  • 自分自身をニュースサイトにしない - やしお

    SNSでもブログでも、時事的な事柄・ホットな話題への反射的な言及が自分自身では減ったと感じている。気を付けてそうしているというより、そうすると自分が嫌になる・苦しくなる、という心理的なハードルが上がって勝手にやらなくなってきている。 この「気分」は個人的なものだけでなく、全体の風潮の影響も受けていて、一定の一般性があり得るかもしれない。現時点で「どういう気持ちがあるのか」を書き残すといいかもと思ってメモ。 炎上加担の功罪 「ホットな話題への言及」には利点/欠点の両面がある。 「不正義・不条理で苦しめられた」などの案件が、炎上で是正されるケースもよくある。 企業・行政vs個人で、昔なら個人が一方的に不利益を押し付けられて終わりのケースで、個人が救われたりする。 一方で「実は不正義じゃなかった」案件の炎上に参加して、意図せず加害行為に加担してしまうケースもあり得る。 例えば、草津町議が町長から

    自分自身をニュースサイトにしない - やしお
  • 逮捕にそなえる人生継続計画 - やしお

    実際に逮捕・起訴された人の事例をいろいろ読んでみると、普通に生活・仕事していてもされる時はされるんだと思う。 痴漢冤罪や荷物すり替えで違法薬物の運び屋にされるなどの巻き込まれケースだったり、もともとルール(法律・運用)が曖昧なグレーゾーンが拡大解釈で突然咎められたり、捜査機関の描いた架空のストーリーの登場人物にされたり、人は犯罪の意識が希薄だったり、色々ある。 逮捕・起訴されると人生に大きなダメージを被る。会社なんかで災害を想定してBCP(事業継続計画)を事前に立てたりするけど、それと同じような感じで、万が一逮捕された場合でも「こうなる」をそこそこ認識して「こうする」を事前に決めておければ役に立つかもしれないと思うようになった。 概要 弁護士選び 逮捕~裁判の流れ 逮捕 逮捕後 留置場・拘置所 取調べ・調書 捜索差押 勾留請求・勾留質問 裁判 世論形成・名誉回復 参考事例・参考文献 概要

    逮捕にそなえる人生継続計画 - やしお
  • クリエイターに編集や校正の技術が必須の時代 - やしお

    ここ最近で、平田オリザやソフトバンク新入社員が叩かれたり、あるいはナイナイ岡村への矢部の公開説教が批判されたりするのを見かけた。論旨そのものはおかしくなくても、細部や印象で違和感を持たれると叩かれてしまう。 それを防ぐには、先回りして叩かれポイントを潰しておけばいいのだけど、それは作家的な能力(コンテンツのクリエーション)というよりたぶん編集や校正(校閲)に近い技術になっている。それはネットが出てきて、さらに人口が増えて言論空間の距離(射程)が変わったせいで、作家的な能力と編集・校正技術の両方が(今まで以上に)個人の中に必要になってきていて、でも旧来の言論空間の距離感に慣れた人や、新規参入した人の中には、戸惑っている人もいるんだろうな、みたいなことを考えていた。 劇作家の平田オリザが、新型コロナウイルス対応にまつわる演劇界の苦境を訴えた際に、製造業その他産業を雑に引き合いに出したために炎上

    クリエイターに編集や校正の技術が必須の時代 - やしお
  • 同性愛者が異性と同棲する - やしお

    自分は同性愛者だけれど、しばらく前から異性のパートナーと同居している。さしあたり結婚はしない予定になっている。 そうした状況は自分にとってもすごく意外だったし、あと同性愛者だってことにまつわるあれこれも含めて、改めて思うところを整理しておきたいなと思って。 同性愛者と異性愛者の境目 「ゲイの男性が女性とパートナーになる」という話は、他者からは理解しにくい話かもしれないけれど、そんなに珍しい話でもないと思っている。当事者から見ると珍しくないけど、非当事者から見ると理解しづらい、というこの非対称性は、同性愛者/異性愛者の間のグラデーションがどれくらい実感/想像できるかの違いにあるんじゃないかと思っている。 自分の場合は肉体的にも性自認も男性で、性的な関心はほとんど同性(男性)に向いている。一方で異性との性交渉に抵抗があるわけでも無関心なわけでもなく、経験も全く無いわけでもなかった。(性別より、

    同性愛者が異性と同棲する - やしお
    murashit
    murashit 2019/11/20
    規範意識やわずらわしさとの付き合い方とか
  • 文章を書いてお金を貰う体験 - やしお

    SUUMOタウンに寄稿した記事が公開された↓ ただの住宅地「新川崎」に住んでいたら、勝手に7年が経った - SUUMOタウン 自分が住んでいる川崎市や新川崎がどんなところで、どんな気持ちで住んでいるのか、といった話を書いた。誰かの参考になればいいなと思う一方で、「当にこれでちゃんと誰かの参考になるのだろうか」という不安もちょっとある。 お金をもらって文章を書くという体験は初めてだった。はてなダイアリーから始めてブログは15年弱続けているけれど、ずっと書くのも自分、編集も校正も校閲も自分という環境で、他者のチェックを受けて何かを書くのも初めてだった。 申し出があったのが12月上旬だった。はてなの編集部門からふいにメールが届いた。実は過去にも「書きませんか」というオファーがはてな以外から数回あったけれど、断っていた。ただ今回は、自分の住む町のことを書くという話で「それなら書けることがありそう

    文章を書いてお金を貰う体験 - やしお
  • はてなブログへの移行と、はてなダイアリーの記憶について - やしお

    はてなダイアリーが終了するというのではてなブログに移行させた。もともとダイアリーに愛着や未練があって使い続けていたわけではなく、ブログの方は「メインアカウントにログインしたまま編集できない」、「有料版が高い(2~3倍)」という消極的な理由でダイアリーを使い続けていたのだった。(id:Yashioはid:OjohmbonXのサブアカで、有料版は広告を消すためだけに利用していた。)実際id:OjohmbonXの方は5年ほど前に移行させている。旧サービスが提供され続けていたことに甘えていただけだった。 はてなダイアリーを始めたのが2004年9月27日、18歳の時で、14年間も利用し続けて32歳になっているのかと思うと何なんだってかんじする。一旦来し方をまとめてみようと思った。 はてなダイアリー以前 初めてインターネットに触れたのは1996年くらい、小5か小6くらいだった。岐阜市に柳ヶ瀬というアー

    はてなブログへの移行と、はてなダイアリーの記憶について - やしお
  • システムをハックする首相 - やしお

    安倍首相・内閣の言動がはちゃめちゃだとするなら、「どんな風にはちゃめちゃなのか」というより「どうしてはちゃめちゃが成立するのか」の方に興味があるし、「首相は愚かだ」と嘆くよりは「愚かな事態をシステムはどのように許したのか」を知りたい。 今の時点でどう見えているか記録を残しておけば、10年後くらいに読み返して面白いかもしれないと思って。 はちゃめちゃが成立する構造 はちゃめちゃが安定して存在するには、「はちゃめちゃを許容する構造」と「はちゃめちゃを用意する構造」の両方が必要になる。 おふとん(=眠気を許容する構造)と眠い人(=眠気を用意する構造)の両方がそろって安定した睡眠が成立するみたいな感じ。おふとんだけあっても全く眠くなければ睡眠は発生しないし、眠い人がいてもおふとんが無ければぐっすり眠れず目が覚めてしまう。 それから眠くなかったのにおふとんに入ったら眠くなってしまうといった、「許容す

    システムをハックする首相 - やしお
    murashit
    murashit 2017/06/02
    やしおさんの話すシステムの話はいつも一貫しててすげえなと思う
  • 悲しいだけ - やしお

    2ヶ月半前に母が亡くなった。自殺だった。 4年前に亡くなった父と同じ64歳で、4年前と同じように仕事中に「亡くなっていたよ」とふいに知らされた。違うのは、病死ではなく自裁だったことと、4年前に携帯電話越しに父の死を伝えたのは母だったのが、今度はその母が死んで姉が伝えてきたことだ。母の「ゆう君、お父さん、亡くなってたよ」といつもと違う妙に間延びした4年前の声も忘れられないし、姉の「ゆう君、お母さん亡くなってたって」と涙ぐんだ声も忘れがたい。 火曜日に外注先で仕事をしていて、正午になったから休憩に入ろうかと思ったときに姉から電話が入った。地元に住む姉の名前が表示された画面を見た瞬間に、母親のことだな、亡くなったという話かもしれないと思った。平日の朝は母親とメールを交わす習慣になっていて前日月曜と当日は返事がなかったから変だなと思っていたからだった。いつも朝7時頃にこちらからメールを出すと、30

    悲しいだけ - やしお
  • 森敦『意味の変容・マンダラ紀行』 - やしお

    http://bookmeter.com/cmt/43600977 「意味の変容」はとにかくびっくりした。こんなの日語で既に作られてたのか。比喩が比喩に留まらない、説明のための存在を越えて、必要性を備えてぴったりそこに存在するって相当珍しいしすごい。ふつう論理と例証を並べると、説明するもの-されるものの従属関係がどうしても生じるけどそれがまるでない。職業経験がシステム論に昇華されても、なお経験であり続ける。しかもそれが一回きりじゃなく連作短編みたいな形式で繰り返し・変奏されて見せられる。こういうの突きつけられると、エッセイと小説、実話と創作なんて区別がまるで無化される。 「マンダラ紀行」の方はよくわからなかった。基礎的な仏教知識がやっぱり足りない。 意味の変容・マンダラ紀行 (講談社文芸文庫) 作者: 森敦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/01/11メディア: 文庫 クリック

    森敦『意味の変容・マンダラ紀行』 - やしお
    murashit
    murashit 2014/12/20
  • 大西巨人『神聖喜劇(一)』 - やしお

    http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41936698 大前田-神山がジャイアン-スネ夫キャラで現れて、お話作るのに都合いいしねと思ってると一気にはみ出して収まりがつかなくなってく。まだ1巻なのに。東堂が視点人物としてそれらを捉えようとするとき、あくまで具体的な言葉が先行するテクスト(引用)とどう関係を結ぶかに拘泥し続ける。大西巨人は小説もエッセイも一貫してこうで、自説を支える引用って範囲を超えちゃう。個人の思想の独立性より、言葉が不可避的に生じさせる関係性の方を根で恐らく無意識に信じてるんだ。今たぶん意識的に近いことしてるのが青木淳悟の「男一代之改革」とか 9年前に通読した時と比べて、はるかにクリアーに読めているので嬉しくなるが、「クリアーに読めている」というのはある種の制度に囚われていると疑った方がいいので、気をつけて読まないといけない。 メモ 時間が

    大西巨人『神聖喜劇(一)』 - やしお
    murashit
    murashit 2014/10/13
  • 佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』 - やしお

    http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40001487 読むことの実践を一切欠いて、小説を書くことばかりが観念的に大仰に語られる。その貧しさを相対化せず終始肯定する態度は極めて退屈だった。フォークナーが「アブサロム、アブサロム!」で、ヘルマンが「果てなき路」で作者が自作に変容を強いられる様を圧倒的に描いた記憶の前では、作中作の具現化すら放棄した作品は他愛なく忘却できる。大江健三郎でさえ認識を直接語るとつまらないことを思えば、大江ほど理論的な隠蔽が器用ではなく、大江ほど小説的な生々しさも持たない人は、やっぱりそうした蛮行を控えるだけの慎みは持つべきだろうと思う。 1000の小説とバックベアード (新潮文庫) 作者: 佐藤友哉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/12/24メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 40回この商品を含むブログ (38件)

    佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』 - やしお
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    murashit 2014/08/02
  • 大人いじめ マイルドタイプ - やしお

    大人になってもいじめの構図は引き継がれていくんだなと思うときがある。 「なんですぐ連絡入れないんだ!」という同僚や部下への叱責は、中学生が体育の授業のバスケで「なんですぐパス回さねえんだよ!」とトロい同級生に怒鳴るのとよく似ている。怒ってる当人からすれば、このタイミングでこの人物に連絡を入れる/パスを回すのは全く疑う余地なく当然のことだと思っているし、それがわからないということが想像できないので怒っている。一方で怒られている側はどうしてそのタイミングでそうすべきなのかを理解していなかったり、わかっていても他の作業との優先順位の付け方が上手くできていなかったり、そもそもどういうわけか体が動かなかったりで、怒鳴られたところでどうしようもなかったりする。 この程度のことはいじめと呼ぶのは大袈裟だと言われればそうだと思う。けれどこうして叱責される姿を目にした周囲の人間が、「こいつはトロい奴だ」「批

    大人いじめ マイルドタイプ - やしお
    murashit
    murashit 2014/07/06
    ある
  • 古井由吉『野川』 - やしお

    http://book.akahoshitakuya.com/cmt/38705157 結局日語でものを書くというのは、こういうことじゃないかという気になる。西欧語が物を中心にした言語に対して、日語が事の言語、状況や環境、距離感を語る言語だと考えると、自然この小説みたいな形にいきつくのではないかと思えてくる。別の時間や話、人物やアイテムがふいに交錯するのも、物を中心に据えると混乱しているように見えるが、思考する何かとその距離だと思えばむしろ忠実な語りだ。井斐や内山の話が主語を欠いて私の話・一人称小説のように見えてくるのもそうだ。でも「旅のうち」から三人称小説になりもしてそれさえ崩される。 小説は読み進めるうちに当初より読むのが楽に、早くなっていくことがある。小説の立ち上がりでは、読み手がその世界の時間や前提、語られ方を探って了解していくために読むのに時間がかかるが、次第に慣れていくと抵

    古井由吉『野川』 - やしお
    murashit
    murashit 2014/06/11
  • ViVi 2014年6月号 - やしお

    赤文字雑誌では発行部数が最大というViViを初めて読んだ。 文体があまりにイメージ通りで驚いた。ファッションに関する用語、ブランド名やアイテムの名前、形容詞といった語の特殊性(ファッション誌の中では一般性)はあっても、「ファッション誌っぽい」というイメージそのままだったので驚いた。 今、お気に入りすぎて毎日のように持っているのがスパンコールで出来たショッピングバッグ風デザインのAshishのバッグ。コレ持つだけで普通の格好がおしゃれに見えるよね♪ なんか、春の立ちあがりって実際には寒くてなにを着ていいかわからなくなるじゃないですか? そういう時期にitブランドを取り入れると、コーデが新鮮になっていいと思う。 「加藤ミリヤのファッションショー! ―私服オンリー連載―」(p.27) 加藤ミリヤに限らず例えば水原希子のインタビュー記事でも文体は変わらない。 もし小説の中で書かれていたらリアルさが

    ViVi 2014年6月号 - やしお
    murashit
    murashit 2014/06/05
  • さようならマインスイーパ、君は美しい。 - やしお

    そう、人は失くして初めてその大切さに気づく。愚かで哀れな生き物なのだ。 XPからVista、そして7へとその住処を変えたマインスイーパが自らの装いを変えた時、我々は無垢だった彼女がもうそこにはいないと知って胸を痛める。艶やかに着飾って成長した彼女を見て褒めそやす者たちの無知に向かって、何もわかっていない、お前たちは彼女を何も知らないと呪詛を唱え続けたところでむなしい。 我々はひたすら愚かなのだ。かつての彼女の素朴さが放つ真の軽やかさとの交歓を、失って初めてかけがえのないものだったと知ったのだ。 しかしもう遅い。彼女はガールからレディへと生まれ変わった。しかもそれはVista、すでに7年も前に。ただXPのサポートが切れるまで、消費税が上がるまで、愚鈍な我々は彼女の夢の残像と戯れていたに過ぎない。 あか抜けない田舎の少女だった君は、 当にきれいになったと思う。 野暮ったかった君が今では品のあ

    さようならマインスイーパ、君は美しい。 - やしお
  • フランツ・カフカ『アメリカ』 - やしお

    http://book.akahoshitakuya.com/cmt/34869658 船、伯父の家、ホテルの堂、どこにいても、壁が無限に高い迷路に放り込まれたみたい。建物の全体像は把握できないし、周囲の他人は全くふいにカールを振り回す。カールの判断と対処はいつだって水泡に帰して、ただ迷路の壁に触れてかすかな凹凸を知ることしかできない。たしかに世界ってこんなふうだし、そんな不可視な世界を実現するのは克明なディテールなんだ。この「見ているものしか見えない」世界を破ってるのがテレーゼで、彼女が母親の死を語る場面は唯一外部が直接流れ込んでくる。しかも最高に美しくて惨めなんだから大好きな箇所だよ。 まったく語りは混濁してなくてクリアーなのに、「世界は見えない」という感じが強く出てくる。逆にフォークナーの「アブサロム、アブサロム!」やガルシア=マルケスの「族長の秋」は語りがぐっちゃぐちゃだけど、か

    フランツ・カフカ『アメリカ』 - やしお
  • 永井荷風『?東綺譚』 - やしお

    http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33355960 まさかの3層入れ子構造。「わたくし」が作中で執筆する小説「失踪」が出来事や登場人物を呼応させてたびたび入り込んでくる。そして?東綺譚の最後にわたくしが「筆を擱くべきであろう」と宣言、これもまた書かれた物だと相対化したかと思うと、さらにその後「作後贅言」として?東綺譚の外側から永井荷風が話し始める。しかもその全てが終わりを拒絶する。失踪は中絶され、?東綺譚は終了宣言後に捏造の結末の可能性を語り、作後贅言で私はもう死んでておかしくないと既に終わりは過ぎているみたいに言う。昭和11年にこんなことしてる人いたの。 ぼく東綺譚 (新潮文庫) 作者: 永井荷風出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1951/12/27メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (39件) を見る

    永井荷風『?東綺譚』 - やしお
    murashit
    murashit 2013/11/14
    やっぱ変な小説だよな……
  • 東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』 - やしお

    http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28604177 平行世界の措定なしでも「こうであったかもしれない私」という可能性の束は考えられる。そうした可能性に対してもなお「この私」と断言できる性質、特殊性に回収されない単独性が消去されずに残る。そこへ平行世界を導入して「私ではない私」を実体的に語り得るようにすると(例えシミュレーションだと言い張っても)、実際にはなお残存するその性質を無視できる。SFミステリとして当に面白いけど、そこに触れながら都合よく特殊性へ回収させて済ませた態度が退屈。この著者はたぶん知っていながら、今回そこはいいやって捨てた侮りがいやなの。 クォンタム・ファミリーズ 作者: 東浩紀出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/12/18メディア: 単行購入: 61人 クリック: 1,937回この商品を含むブログ (198件) を見る 可

    東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』 - やしお
    murashit
    murashit 2013/05/15
  • つらいということ - やしお

    先々月に父が急死した。 もし親が死んでも自分は意外と平気でいられるんじゃないかと考えていた。何かを整理して考える力も大分ついてるし大丈夫かもしれないと侮っていたが実際はまるで平気ではなくて自分でも驚いた。体験を通さないと当には分からないことが確かにある。 12月14日(金)の昼前、母から「父と昨日から連絡がとれない」とメールが入った。両親は離婚して別々に住んではいたものの、連絡を取り合ったり会ったりもたまにしていた。 前日が僕の誕生日で、田舎から両親の名義でお菓子が届いていたから、二人宛にお礼のメールを出していた。いつもは電話をかけてくる父親から返事がなかったから変だなとは思っていた。 僕の誕生日のこともあり10日ぶりに母も父に連絡をとろうとしたようだが、メールの返事もなく、電話も「電源が入ってない」のメッセージばかりだという。それで警察と部屋を見に行ってくるという。 事故か、失踪か、病

    つらいということ - やしお