「生きている本」を読んで偏見を乗り越える“Living Library” 中身を見ないで表紙やタイトルだけで本を評価したことがないだろうか。じっくり読んでみると,それらが与えていたイメージが偏ったものであることが分かり,本のテーマについてより深い理解を得ることができるかもしれないのに。この考え方を,人間の相互理解に生かした活動“Living Library”が,注目を集めている。 Living Libraryとは,障害者,性的マイノリティ,ホームレスといった,偏見を受けやすい人を“Living Books”(生きている本)として,普段彼らと接する機会のない人たちに貸し出し,「読書」を通じて,偏見やステレオタイプを乗り越え,多様な社会の実現を目指す試みである。2000年にデンマークで,暴力追放を目指すロックフェスティバルの企画の一部として開催されたのが最初だという。活動の価値が理解され,北欧