展覧会は、美術史家や学芸員が精魂を込めてつくる「作品」である。1点の絵やオブジェを見るだけでは伝わりづらい作品の魅力や秘密が、会場やカタログで明らかにされることも多い。「アートいろは坂」は、開催中の美術展やアートイベントを乗り物代わりに、アートの深部に少しでも迫ろうという「旅案内」だ。第1回のテーマは「モナ・リザ」。東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展(6月10日まで)の会場に足を運んだ。 近年、パリのルーヴル美術館を訪れた時のこと。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」の前の人だかりは尋常ではなく、遠目には何かの塊が絵の前にある、といった様相を呈していた。列をなしているわけでもなく大勢の人が密集しており、絵に近づくことさえ難しかったのだ。20年ほど前に訪れた際は、熱心に見入る人々が絵を囲んではいたものの、至近距離でじっくり向き合
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