昨年から高騰をつづけてきた養殖用のウナギの稚魚(シラスウナギ)の取引価格が、さらに値上がりして過去最高を更新した。原因は稚魚の深刻な不漁にある。乱獲による資源の枯渇も懸念されている。ヨーロッパ産のウナギはついに国際条約で絶滅危惧種に指定された。ニホンウナギもそのリスト入りするのは時間の問題だろう。かば焼きも値上がりして、ウナ丼はいよいよ食卓から遠のいている。 1キロ250万円、暴騰するシラスウナギ 現在はシラスウナギ漁の最盛期だ。資源を保護するために漁期が設けられ、解禁日は毎年12月1日、地域的に2~4月まで漁がつづけられる。ところが、シラスウナギの主要な産地の宮崎、鹿児島などでは捕獲量は過去最低。極度の不漁といわれた過去2年間と比べても、ほとんどの産地で半分以下だ。国内で消費されるウナギの99%は養殖であり、ウナギ生産には大打撃だ。水産庁は異例の事態を重視し、近く自治体関係者や研究者らを