車内でガソリンをかぶって焼身自殺するような行為や、さらにはテロに対して、鉄道を強靭なものとしたい。 なぜ「大惨事」を防げたのか さる6月30日の昼前、新横浜-小田原を走行中の「のぞみ」車内にて、男がガソリンをかぶりライターで着火して自殺した。煙を吸った女性が1人巻き添えとなり死亡した。 非常に痛ましい事件だが、密室の中で悪意を持った放火事件でありながら、大惨事にならなかったことは、新幹線の安全性の高さの証しでもある。 新幹線を含む近年の鉄道車両は、車体やシートその他の難燃性が高く、延焼しなかった。これだけの火炎を受けても走行性能には支障なく、小田原駅及びその後の三島の車両基地まで自力回送できた。 充実した教育訓練を受けた運転士は、大量の煙を吸いながらも消火器で消火し、小田原駅までの回送後に救急車で搬送された。車掌は、適切に乗客を誘導した。 そして、発生から約3時間後には運転再開し、日本の大