「太陽光パネルとケーブルは屋根材と近接しており、重大な住宅火災や生命被害に至る可能性がある」。消費者庁で太陽光パネルの事故調査を手掛けた今洋佑氏は警告する。「保守点検の義務は所有者にある。他人事と思わず、保守点検の意識を高める必要がある」 家庭用の太陽光発電システムで相次ぎ火災が発生している。消費者庁の消費者安全調査委員会が1月末にまとめた報告書によると、2017年11月までの9年間に全国で127件の火災などの事故が起きているという。同庁はそのうち、パネル部分やパネルにつながっているケーブルからの発火が原因だった13件について検証した。報告書をつぶさに読み解くと、大きく3つの原因が見えてくる。 1つ目は「施工不良」。ケーブル配線工事に不備があると接合部分が異常に発熱したり、火花が散るアーク放電が起きたりするという。太陽光パネル本体でもはんだ強度が不十分だと、経年劣化によって電流抵抗が増し異
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