トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事 【社説】 レバ刺し禁止 食の文化も忘れずに Tweet mixiチェック 2012年6月30日 食品衛生法の基準が変わり、明日から牛の生レバーが食べられない。安全は最優先だ。だが、生食に代表される食文化も守りたい。おいしさをどのように伝えていくか。これを機によく考えたい。 二年以下の懲役、または二百万円以下の罰金。レバ刺しを提供した飲食店は、このような重い罪に問われることになる。 事の発端は昨年四月、北陸の焼き肉チェーンで、ユッケなどを食べた五人が死亡した食中毒事件である。この時、生食用肉提供の基準はあっても強制力がなく、規制が形骸化していたことが問題視され、批判を受けた厚生労働省は、厳罰化へと一気に舵(かじ)を切る。ユッケの場合、表面は加熱するよう義務付けた。 一連の調査の中で、牛の肝から腸管出血性大腸菌O157が見つかった。胆管から肝