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ブックマーク / honz.jp (8)

  • 『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ

    一般に、は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 「ディアトロフ峠事件」をぼくはまったく知らなかった。これは冷戦下のソヴィエトで起きた未解決事件である。 1959年1月23日、ウラル工科大学の学生とOBら9名のグループが、ウラル山脈北部の山に登るため、エカテリンブルク(ソ連時代はスヴェルドロフスク)を出発した。 男性7名、女性2名からなるグループは、全員が長距離スキーや登山の経験者で、トレッキング第二級の資格を持っていた。彼らは当時のソ連でトレッカーの最高資格となる第三級を獲得するために、困難なルートを選んでいた。資格認定の条件は過酷なものだったが、第三級を得られれば「スポーツ・マスター」として人を指導することができる。彼らはこの資格がどうしても欲しかったのだ。 事

    『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ
    ohira-y
    ohira-y 2018/09/07
    これは読まねば
  • 『寄生虫なき病』 - 黒の過剰か、白の不足か - HONZ

    花粉症、喘息、アレルギー、自己免疫疾患、現代に生きる我々を脅かす数々の病。これらを解決する鍵は寄生虫にあった!しかもその原因は、特定の寄生虫の「存在」が引き起こしているのではなく、「不在」によって引き起こされていたのだという。 表紙のアメリカ鉤虫のカバー写真に首根っこをつかまれ、膨大な資料に基づいた「寄生虫視点による世界史」の筆致に目を見開かされ、最後はアメリカ鉤虫を体内に取り込む著者自身の人体実験によって、ノックアウトされる。書は、そんな濃厚で濃密なパッケージの一冊である。 「不在」の病、その存在への気付きは、著者がボリビアのアマゾン地域に住むチマネ族の元を訪れたことから始まる。今でも石器時代のようなライフスタイルを送るチマネ族の人々。彼らは様々な感染症に罹っている一方で、自己免疫疾患の有病率はニューヨークに比べて遥かに低かったのだ。 著者は、自身がアレルギー疾患と自己免疫疾患の両方を

    『寄生虫なき病』 - 黒の過剰か、白の不足か - HONZ
    ohira-y
    ohira-y 2014/03/21
  • 無能な研究者のずさんな仕事……なのか?  除草剤アトラジン問題のゆくえ - HONZ

    除草剤アトラジンをめぐる長年の論争がひとつの山場を迎えているようで、『ニューヨーカー』の2月10日号にホットなレポートが載っていました。アトラジンは日でも使われている除草剤でもあり、今後の成り行きが注目されます。 が、今回の記事はアトラジンの性質というよりもむしろ、医薬品や農薬などの安全性を調べている科学者が、その製品を製造販売している企業にとって好ましくないデータを出してしまったらどうなるのか--しかもそこに巨額の金が絡んでいるときには--という、われわれとして知っておくべき残念な事実に関するものでした。 除草剤アトラジンの問題は、両生類(とくにカエル)の内分泌学を専門とする、タイロン・ヘイズという研究者を抜きにしては語れないようで、『ニューヨーカー』の記事もヘイズを軸として展開されていました。 ヘイズは、サウスカロライナ州出身のアフリカアメリカ人で、彼が生まれ育った地域では、人口の

    無能な研究者のずさんな仕事……なのか?  除草剤アトラジン問題のゆくえ - HONZ
  • あらすじだけでも知ってほしい本がある 『種痘伝来』 - HONZ

    地味といえば地味な学術書である。はっきり言って4千円は高いし、ほとんどの人は買おうと思わないだろう。しかし、こののあらすじは知っておいて損はない。江戸時代の知識階級のレベルがいかに高かったがよくわかる。 天然痘は感染力が強く、致死率も高いおそるべき伝染病である。いや、その撲滅が人類によって成し遂げられた唯一の疾患なのだから、『であった』が正しいのかもしれない。17世紀、すでに中国では、弱毒化した天然痘を人為的に接種する『人痘』がおこなわれていた。ヒトに感染する天然痘ウイルスを用いるのであるから、当然、死ぬこともあった。 天然痘で死ぬ子供の方が人痘で死ぬ子供より多い、そして、自然発症よりもコントロールが容易である、ということから人痘がひろまっていったらしい。もちろん、日でも天然痘が猛威をふるうことがあった。しかし、伝わりはしたものの、中国式人痘が広まることはなかった。命というものについて

    あらすじだけでも知ってほしい本がある 『種痘伝来』 - HONZ
    ohira-y
    ohira-y 2014/02/04
  • コンセプトは”エロうま” - 『キレイゴトぬきの農業論』 - HONZ

    農家が農業の話をしているだけなのに、まるでスタートアップ系企業のプレゼンテーションでも聞いているかのよう。書の読書体験を一言で表すと、そんな風になる。 そこにはステレオタイプな農家像に見られるような、寡黙さも清貧なイメージもない。「日一話のうまい農家」を自負する著者が作り出しているのは「安全」なだけの無農薬野菜でも、「環境にやさしい」だけの有機野菜でもなく、新しい争点だ。 の安全をめぐる「有機野菜」というキーワード。この言葉には、多くの人を思考停止にさせる特別なイメージがある。「有機農業だから安全」「有機農業だから環境にいい」。加えて既存の手法へのアンチテーゼ等も手伝い、体に悪い農薬を使ったものか、それともそれを使わない有機野菜か、そこが一つの争点となってきた。同じような光景は、農業に限らず他の分野でも見られるものだろう。 だが著者は、このような議論を二周遅れと切り捨てる。現在の農薬

    コンセプトは”エロうま” - 『キレイゴトぬきの農業論』 - HONZ
    ohira-y
    ohira-y 2013/09/23
    FOOCOMでの対談記事も http://www.foocom.net/special/9580/
  • 『代替医療解剖』文庫版訳者あとがき by 青木薫 - HONZ

    稿は、2013年8月に文庫化された『代替医療解剖』の訳者あとがきです。2010年1月に刊行された単行『代替医療のトリック』の翻訳者あとがきはこちらから(※編集部) この文庫版のための訳者あとがきでは、書の単行が刊行されてからこれまでに起こった代替医療関係の出来事のうち、とくに興味深いと思われるものを2つほど取り上げてご紹介したい。 まず1つ目は、書の著者の1人であるサイモン・シンが、英国カイロプラクティック協会に名誉毀損で訴えられた一件である。2008年、書の原書がイギリスで刊行されるのに合わせ、シンは『ガーディアン』紙のウェブ版のコラムで、子どもの腹痛や喘息などを治療できるとして、子どもに施術しているカイロプラクターがいると述べた。 英国カイロプラクティック協会はそれに対し、シンの書き振りは、まるで協会の指導部がそれと知りつつインチキ療法を許しているかのように読め、事実上、協

    『代替医療解剖』文庫版訳者あとがき by 青木薫 - HONZ
    ohira-y
    ohira-y 2013/08/28
    シンとカイロプラクティック協会の裁判やプラセボ研究の進展について
  • 『代替医療のトリック』 – HONZ

    今日、代替医療――すなわち、現代の科学によっては理解できないメカニズムで効果を現すと考えられる治療法で、科学者や多くの医師が受け入れていないもの――は、全世界で数兆円規模の市場に成長しているといわれる。しかし、はたして代替医療には、宣伝されているような効果があるのだろうか? お金を費やし、かけがえのない健康を託すに値するものなのだろうか? 書は、さまざまな代替療法の有効性と安全性を、今日手に入るかぎりもっとも信頼性の高いデータにもとづいて判定しようという試みである。 著者のひとりであるサイモン・シンは、綿密な取材と優れた構成力で、科学的知識を一般の読者にもわかりやすく伝えることに力を尽くしている科学ジャーナリストであり、これまでに発表した3つの著作、『フェルマーの最終定理』、『暗号解読』、『ビッグバン宇宙論』(文庫収録時に『宇宙創成』に改題)はいずれも世界中で高い評価を得ている。もう1人

    『代替医療のトリック』 – HONZ
    ohira-y
    ohira-y 2013/08/27
  • 分子生物学者たちの壮絶な争い『ドキュメント遺伝子工学』 - HONZ

    1970年代後半、遺伝子工学という1つの巨大産業が生まれた。 書はその誕生の場面を切り取った、良質なサイエンスドキュメント。そして、1つの産業をリードするベンチャーの誕生から成功を駆け抜けるストーリーでもある。 サイエンスとビジネス、叡智と欲望が交差する間で、2つの大学と資金たった1,000ドルのベンチャーが、インスリンという1つの物質の生産を賭け、競い合った。 そもそもインスリンとはどういうものか?ヒトは「体内のインスリン量がゼロ」という状態が続いたら、早くて1~2日で死に至ってしまう。これほどまでに直接的、かつ短期間に生死を揺るがす物質、それがインスリンである。ほ乳類にとって最も重要なホルモンと言われ、それを証明するかのように、インスリン関連の研究に、ノーベル賞が7つ授与されている。 約90年前にインスリンは発見されるまで、糖尿病患者は飢餓療法で餓死するか、糖尿病昏睡で死に至るか、

    分子生物学者たちの壮絶な争い『ドキュメント遺伝子工学』 - HONZ
    ohira-y
    ohira-y 2013/06/04
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