(第60号、通巻80号) 当ブログは、先週金曜日の2月22日にpv(ページビュー)が5万の大台を超えた。“愛読者”が増えているのは喜ばしい限りだが、同時に、言葉を題材に文章を書くことの難しさも実感している。人によって言語観が違う。その前提になる経験、知見にも差がある。一知半解の身としては、頼りになるのは辞書である。辞書にも時に間違いはあるが、それでもなお、文章を書く者の基本的な心構えとして「すべからく」座右に辞書を備えておくべし、と改めて思う。 文筆を業としているような人でもうっかり間違えて使う言葉の一つに「すべからく」がある。漢字では「須らく」あるいは「須く」と表記する。元々は漢文訓読から生まれた用法で「すべからく〜すべし」と使う。昔、高校時代に受けた漢文の授業では、漢文訓読の際、二度読みする漢字を「再読文字」というと教えられた。よく知られているのは「未(いまだ〜ず)」、「将(まさに〜と