企業は経済活動を正確に記録し、決算という形で業績を国に報告している。努力の結果、利益を計上し、それに見合った税金を納める。おおむね経常利益の45%程度を納税し、残る55%の中から株主への配当金、役員への賞与などを支払う。最後に残った分は、留保利益として資本勘定に繰り入れられ、内部留保となる。 2月中旬、鳩山由紀夫首相が、共産党の志位和夫委員長と会談した。「大企業の内部留保が日本経済の成長力を損なっている」と内部留保に課税を求める志位委員長に、首相は「検討してみたい」と応じた。結局、政府内で検討されなかったようだが、そもそも内部留保は悪いものなのか。 健全な企業は、内部留保など自己の金融資金を、新たな設備投資や研究開発投資にあて、福利厚生施設も建設する。内部留保は、立派に社会へ還元される資金であり、脱税してため込んだタンス預金ではない。 何より内部留保は、納税が無くては構築できない。つ