関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止め訴訟で、福井地裁が再稼働を認めない判決を言い渡した。あまりに非現実的な判断ではないか。 同じ大飯原発の再稼働差し止めを求めた仮処分の即時抗告審では、大阪高裁が「裁判所が差し止めを判断するのは相当ではない」として申し立てを却下したばかりだ。 最高裁は平成4年10月、伊方原発訴訟の上告審判決で安全基準の適合性について「科学的、専門技術的知見に基づく意見を尊重して行う行政側の合理的判断に委ねると解するのが相当である」との見解を示している。 「具体的危険性が万が一でもあれば差し止めが認められるのは当然だ」とする福井地裁判決は突出している。「地震大国日本で、基準地震動を超える地震が到来しないというのは根拠のない楽観的見通しだ」と断じ、安全対策そのものを否定した。それこそ、科学的知見に基づかない悲観的見通しとはいえないか。 昨年7月に施行された新規制基準は、大地