公正取引委員会(公取委)は二十一日、電力市場での公平な競争を促すため、これまで大手電力会社が一体で行ってきた発電と送配電、小売りの各部門をそれぞれ社内分社化するなどして、独立性を高めることが望ましいとする提言を発表した。企業や家庭の電気購入先の選択肢が増え、より競争が活性化し、電気料金が下がることも期待している。
公正取引委員会(公取委)は二十一日、電力市場での公平な競争を促すため、これまで大手電力会社が一体で行ってきた発電と送配電、小売りの各部門をそれぞれ社内分社化するなどして、独立性を高めることが望ましいとする提言を発表した。企業や家庭の電気購入先の選択肢が増え、より競争が活性化し、電気料金が下がることも期待している。
民主党代表選の各候補は十九日、JR新宿駅前で初の街頭演説を行った。代表選で唯一の街頭演説。原発ゼロを後退させる閣議決定の日と重なったこともあり、聴衆からは激しいヤジが飛んだ。 街頭演説には、沖縄訪問のため欠席した原口一博元総務相を除く三人が参加。野田佳彦首相は原発に関し「過去に原子力行政を推進したのは、どこの政権か。自公政権ではないか」と自民、公明両党を攻撃。二〇三〇年代に原発ゼロを目指すことを盛り込んだエネルギー・環境戦略に触れ「政府として原発ゼロ社会を目指すと決めた」と理解を求めた。 だが、聴衆は「うそつき民主党」「増税ひとすじ」といったプラカードを掲げ「帰れ」などと怒号を飛ばした。最もきついヤジを浴びた首相の演説中は「原発ゼロ」コールが続いた。鹿野道彦前農相と赤松広隆元農相も「民主党は原発ゼロを目指すと決めた」と強調したが「だったら閣議決定しろ」という声も上がった。
政府は19日、原発ゼロ目標を盛り込んだ「革新的エネルギー・環境戦略」に関して、国際社会との議論を続けるといった今後の対応方針を閣議決定した。関係自治体などに配慮し、新戦略自体は参考文書にとどめ、閣議決定は事実上見送るあいまいな決着となった。 対応方針では、新戦略を踏まえて関係自治体や国際社会と議論し、内容を不断に検証するなどの大まかな考え方を表明。 政府は重要政策について文書全体を閣議決定するのが通例だが、今回のように文書を参考扱いにした場合、決定の拘束力は弱まり、政策の実効性も低下しそうだ。
1985年 先進5カ国がドル安に誘導する「プラザ合意」を発表、急激な円高で日本の輸出産業は打撃を受けた。日銀は低金利政策を実施、政府も大型公共投資を行い、翌年からバブル景気に入る。日本電信電話公社が民営化しNTTが発足。男女雇用機会均等法が成立。豊田商事事件などの悪徳商法が社会問題化した。日航ジャンボ機が墜落し、520人が犠牲になった。 東日本大震災の前、日本では家庭の電力消費量と原発の発電量がほぼ同じだった。家庭の消費量を半分にできれば、原発依存も半分で済む。家庭の消費量が半分だったのは清貧を強いられる大昔でなく、バブル景気入り口の一九八五年。太陽光などの自然エネルギーと今ある技術や知恵を使えば、無理なく半減できると訴える人がいる。 (加藤文) この運動を呼び掛けているのは、一般社団法人「Forward to 1985 energy life」(事務局・埼玉県越谷市)代表理事の野池政宏さ
政府の二〇一二年度予算の復興特別会計のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」などを運営する独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)の核融合エネルギー研究費に四十二億円が計上されていたことが分かった。文部科学省は一三年度予算の復興特別会計でも、四十八億円の研究費を概算要求している。東日本大震災の被災地復興のため、国民に新たな負担を求めた復興予算が復興とは直接関係のない「原子力ムラ」の事業に使われた。(中根政人) 原子力機構に対し、一二年度予算の復興特別会計からは百億円超が支出された。このうち、東京電力福島第一原発事故の収束や除染に関する技術開発費などを除く四十二億円は、日本や欧州連合(EU)、米国、中国など七カ国・地域が核融合エネルギーの実用化を目指して共同で進める国際熱核融合実験炉(ITER)の研究事業に充てられた。ITERは、日本国内では、青森県六ケ所村と茨城県那珂市に研究拠点がある
政府が十四日に決めた原発ゼロ目標に対し、二酸化炭素(CO2)排出量の増加につながるという指摘がある。原油や石炭を燃やす火力発電で電力を補うことになるためで、日本が中心となった京都議定書など地球温暖化対策に逆行するのではないか、という意見だ。だが、原発ゼロでも経済成長とCO2削減を両立できるという識者もいる。それにはエネルギーの大量消費社会を日本全体で変えることが必要になる。 (吉田通夫) 原発を推進してきた経済産業省は、原発をゼロにすると二〇三〇年のCO2排出量が一九九〇年比で16%減にとどまると主張。鳩山由紀夫元首相が国連演説で表明した25%減を下回り、「国際的に(CO2削減への)野心が低いと非難される恐れがある」と抵抗した。 これに対し、京都大の植田和弘教授(環境経済学)は、経産省の試算が「社会や産業の変化を考慮していない」と指摘する。日本の産業政策が「いまだに鉄鋼などエネルギーを大量
政府は「原発ゼロだと電気料金が二倍になる」などと国民に負担感を強調してきたが、本当にそうなのか-。政府が公表した試算で、電気料金が一カ月約一万円(約四百六十キロワット時使用)の家庭の場合、原発ゼロで二〇三〇年には最高約二万一千円まで値上がりすると説明している。だが、政府関係者ですら「完璧な試算はない」と漏らしており、負担増の不安が杞憂(きゆう)に終わる可能性もある。(山口哲人) 政府は原発ゼロによる電気料金の影響の試算を、国立環境研究所など識者・機関の四カ所に依頼した。中には、原発依存度を20~25%とする案でも最高約一万八千円まで電気料金が上がるという試算もあり、結果には大きなばらつきがあった。 ただ、原発を今まで通り使い続けても値上げは避けられないということだけ、共通していた。理由の一つは、政府が「原発より発電コスト(費用)が高い」と見なす再生可能エネルギーを、現在の10%から25~3
政府の二〇一二年度予算の復興特別会計のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」などを運営する独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)の核融合エネルギー研究費に四十二億円が計上されていたことが分かった。文部科学省は一三年度予算の復興特別会計でも、四十八億円の研究費を概算要求している。東日本大震災の被災地復興のため、国民に新たな負担を求めた復興予算が復興とは直接関係のない「原子力ムラ」の事業に使われた。(中根政人) 原子力機構に対し、一二年度予算の復興特別会計からは百億円超が支出された。このうち、東京電力福島第一原発事故の収束や除染に関する技術開発費などを除く四十二億円は、日本や欧州連合(EU)、米国、中国など七カ国・地域が核融合エネルギーの実用化を目指して共同で進める国際熱核融合実験炉(ITER)の研究事業に充てられた。ITERは、日本国内では、青森県六ケ所村と茨城県那珂市に研究拠点がある
政府は十四日、新たなエネルギー戦略を決めた。日本国民にとって将来の暮らしを大きく左右する重大な指針となるが、決定間際に野田佳彦首相が最も心を砕いたのは「原発ゼロ」に不快感を表明した米国の意向だ。長島昭久首相補佐官らを急きょ米国に派遣。お伺いを立てた末の骨抜き決着は、米への追随路線を極めたものといえ、今後の原発政策に疑問を抱かざるを得ない。(城島建治)
政府は十日に予定していた関係閣僚らによるエネルギー・環境会議での二〇三〇年時点の原発依存度を含めた新たなエネルギー政策の決定を先延ばしにした。野田佳彦首相は週内に決定するとしているが、めどは立っていない。背景には「原発ゼロ」に傾く日本の原発政策に米国が懸念を表明し、それを口実に抵抗する原発維持派の存在がある。「原発ゼロ」を何とか骨抜きにしたい原子力ムラの意図がうかがえる。 (金杉貴雄) 政府は三〇年時点の原発依存度を含めた新たなエネルギー政策を、遅くても十日の民主党代表選告示までに決定する方針だった。政府関係者は「代表選で(首相が)原発方針はまだ白紙です、というのは通らない」と力説していた。 十日の決定が先延ばしされた理由について、ある民主党議員は「党が二〇三〇年代の原発ゼロをまとめたことで、日本の脱原発政策に米政府が懸念を示し、国内の原発維持派が激しく巻き返しているからだ」と指摘する。
東日本大震災から十一日で一年半。いまだ電気すら戻っていない地域がある中、岩手県大船渡市の新沼暁之さん(37)は、民家を巡ってボランティアでソーラーパネルを取り付けている。そこまで駆り立てるのは「好き勝手に生きてきた自分が震災で、初めて人の役に立ちたいと思ったから」。被災地の夜に復興の明かりをともし続けている。 (佐藤航) カキ養殖が盛んな宮城県石巻市の尾崎地区。壊れた古い民家の庭先で、黙々と働く新沼さんの姿があった。角材を組んで枠を作り、漆黒のパネルをはめ込んでいく。丸刈りのいかつい顔が汗まみれになったころ、ようやく配線がつながった。
環境省が東京電力福島第一原発事故により県内で発生した高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分場候補地を矢板市に選定したことを受け、市は六日夜、緊急の住民説明会を市生涯学習館で開いた。 冒頭、遠藤忠市長は「突然のことだったので、地域の皆さんに経過を説明しなければならないと考えた」と切り出した。三日に横光克彦環境副大臣から唐突な訪問を受け、協力を要請されたが、「きっぱりとお断りした」と報告した。 「白紙撤回を求め、関係省庁に働き掛けていく」と遠藤市長。「矢板に建設されることがないよう皆さんと力を合わせ、具体的な取り組みに入っていきたい」と話すと、会場は拍手に包まれ、反対ムード一色となった。
トップ > 特集・連載 > 東日本大震災 > 福島原発事故 > 記事一覧 > 記事 【福島原発事故】 核燃料プール 数年で満杯 6割が運転不可に Tweet mixiチェック 2012年9月4日 全国の原発五十基のうち約六割の三十三基が、数年間稼働させれば使用済み核燃料プールが満杯になり、動かせなくなることが、各電力会社への取材で分かった。新たに中間貯蔵施設を造るには十年はかかり、使用済み核燃料を再処理しても、核のごみは減らず、再生される混合酸化物燃料(MOX燃料)は使う計画がない。原発の抱える深刻な問題がはっきりした。 本紙は、原発を保有する九つの電力会社と日本原子力発電(原電)に、各原発のプールの空き容量のほか、一年(通常、原発の定期検査の間隔は十三カ月)ごとの核燃料交換の実績値を取材。そのデータから、各プールがあと何年で満杯になるかを計算した。 これまでプールの空き容量は三割強あ
原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた。国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる。 発言者は電事連の原子力部長。内閣府の検証チームが集めた議事資料などによると、昨年十一月二十四日の会合で、原子力委の鈴木達治郎委員長代理が「電力会社としては、コストが高くても再処理する理由があるのか。とりあえずは(使用済み核燃料を)処理できるということがメリットか」と部長に質問した。
東京電力の原発事故から二度目の夏。節電が定着し、ピーク需要が事故以前に比べ一千万キロワットも下がっている。関西電力以外の原発はすべて止まったままだ。原発ゼロ社会を見据える好機としたい。 事故の前年、二〇一〇年夏の東電のピークは五千九百九十九万キロワットに達した。今夏は七月二十七日の五千三十八万キロワットが最大で、五千万キロワットを超えたのはこの一日だけだ。それ以外は猛暑日でも四千九百万キロワット前後と、供給能力の八~九割に収まっている。 電力消費は企業活動が本格化する九月に向かって増える傾向にあり、楽観は禁物だが、昨夏から続く一千万キロワット規模の節電は揺らいでいない。工場や商店、家庭を問わず、エアコン、冷蔵庫の設定温度を調整して冷やしすぎに気をつける。こまめに消灯する。地道な省エネの積み重ねが、原発十基分にも相当する節電を支えている。
原発の維持促進に使われる「電源開発促進税」に関して、消費税増税が強行された場合に新たに利用者の負担が増える問題が浮上している。現在、促進税は電気料金に含まれて利用者が負担する形になっており、消費税が増税されると促進税にも増税分が上乗せされるためだ。東京電力管内では消費税率が10%になると、税金に税金がかけられる「二重課税」の額は現在の二倍の年間百九億円になる。 消費税増税は衆院選など止める道筋は残っている。国の原発行政が揺らぎ、促進税の在り方が問われる中で増税を許せば、根拠のあいまいな税金に消費税を掛け合わせることになる。 促進税は国が電力会社に課すが、電力会社は発電に必要なコストだとして電気料金に転嫁。実際は電気料金を通じて利用者が全額を負担している。 東電は現在、発電費用に年間千九十一億円の促進税を算入。消費税との二重課税分は、税率5%の現在は五四・五億円だが、8%になれば八十七億円、
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