経済産業省は、二〇一五年度予算の概算要求で、実用化が疑問視されている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)に関連した研究委託費を一四年度予算より積み増すなど、原発の維持や拡大につながる予算を増額した。エネルギー基本計画は「原発への依存度を可能な限り引き下げる」としているが、逆行する予算の要求となった。 日本は米国やフランスなどと次世代の原発を開発する協定を締結し、経産省は高速炉の研究を、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構(原子力機構)に委託してきた。概算要求で、委託費は一四年度当初予算より10%多い四七・五億円を計上した。 しかし、もんじゅは一九九一年の完成後、トラブル続きでほとんど稼働していない。大規模な点検漏れが発覚し、二〇一三年には原子力規制委員会が原子力機構に運転再開を禁じたほどだ。エネルギー基本計画でも「あらゆる改革」を求めている。