「「改定常用漢字表に関する試案」に対する意見募集が締め切られたそうだ。常用漢字のことを忘れているあいだに、どんどんと進行しているようだ。 試案の細部については、いろいろな専門家が意見を書いているようなので、もうすこし、全体的かつ長期的な考えを述べたい。 これからも常用漢字表は必要だろうか。当面は必要かもしれないが、何年か後には不要になる可能性がある。なぜなら、文字と字体に関して国家が決めた漢字表を尊重したり、それに依存しなければいけないこと自体、自由主義社会における個人としては褒められた状況ではないからだ。自分が書いたり読んだりする文字は自分で決めればよい。用途に応じて必要なら、その範囲で標準化すればよい。 そもそも、これが漢字の規範だ、などと誰が言えるのか。漢字の利用者である各個人以外にはあるまい。 また、人名漢字なども議論になるが、人名というのは人の名前だ。ならば各個人が決めればよいこ