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ブックマーク / www.astroarts.co.jp (54)

  • 天の川銀河外縁部のフレア領域にケフェイド変光星

    【2014年5月20日 東京大学】 東京大学などの国際研究チームが、天の川銀河の円盤外縁部がふくらんだ「フレア領域」に5つの星が位置することをつきとめた。こうしたフレア領域の天体は、その分布や運動に影響を及ぼすダークマターを調べる手がかりとして期待される。 天の川銀河と、フレア領域でのケフェイド変光星の分布(図中左側)。図の右側は太陽系(オレンジ)周辺。クリックで拡大(提供:R. M. Catchpole (IoA Cambridge) and NASA/JPL-Caltech.) 私たちの天の川銀河の円盤には、外側がふくらんで厚くなっている「フレア領域」と呼ばれる部分がある。銀河のほとんどの恒星や星間ガスは銀河円盤に集まっているが、このフレア領域に恒星が存在するかどうかはこれまでわかっていなかった。 松永典之さん(東京大学助教)とマイケル・フィーストさん(南アフリカ・ケープタウン大学名誉

    天の川銀河外縁部のフレア領域にケフェイド変光星
    serian
    serian 2014/05/26
    銀河面の垂直方向に
  • 火星で棲息できる地球上生物、メタン菌

    【2014年5月22日 University of Arkansas】 米研究チームの実験により、地球上でもっとも単純な最古の生物であるメタン菌が、火星上で棲息できる可能性が示唆された。 メタン菌は水素をエネルギー源に、二酸化炭素を炭素源にして代謝を行いメタン(天然ガス)を生成する微生物だ。メタン菌は嫌気性のため酸素を必要とせず、さらに有機的な栄養素も不要で、光合成も行わない。こうした特徴から、火星に生物がいるとすればその理想的な候補とされている。 米・アーカンソー大学Rebecca Mickolさんは、2種類のメタン菌を火星の環境と同じ条件にさらすという実験を行った。その結果、メタノサーモバクター・ウォルフェイイおよびメタノバクテリウム・フォルミシカムと呼ばれる両種が凍結・融解サイクル実験で生き残った。 「火星の温度は、摂氏マイナス90度からプラス27度と幅広く変化します。もしも現在、火

    火星で棲息できる地球上生物、メタン菌
  • 土星の巨大ヘキサゴン

    【2013年2月26日 NASA】 NASAの土星探査機「カッシーニ」がとらえた、六角形をした巨大な渦の画像が公開された。 「カッシーニ」がとらえた六角形の渦。右上には土星の環が見える。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute) 2013年2月から3月ごろ、深夜の南東の空に現れる土星。クリックで拡大(ステラナビゲータで作成) 深夜の南東の空に現れるようになってきた土星。その北極に、不思議な大気の渦がある。 画像は、NASAの探査機「カッシーニ」が2012年11月に高度65万kmから渦をとらえた赤外線像だ。地球の直径2個分以上という巨大な渦は北緯77度付近まで広がった六角形の構造をしており、これは1980年代初めに探査機「ボイジャー」で発見されて以来、ずっと変わっていない。 2006年に土星に到着したカッシーニはより詳しい観測を行

    serian
    serian 2013/02/26
    「地球の直径2個分という巨大な渦は六角形の構造」
  • 月の永久影に氷の証拠を発見

    【2012年6月21日 NASA】 NASAの探査機「ルナー・リコナサンス・オービター」(LRO)により、月の南極にあるシャックルトンクレーター内部の22%が氷で覆われているという観測結果が得られた。 月の南極にあるシャックルトンクレーターには太陽光がずっと届かない永久影が存在する。クリックで拡大(提供:NASA/Zuber, M.T. et al.。以下同様) LROがレーザ高度計でとらえたシャックルトンクレーターの地形図。青色が最も低い場所を、赤と白が最も高い場所を示している。クリックで拡大。 月は自転軸の傾きが小さいため、その南極付近には内部に永遠に光が当たらないクレーターがある。探検家アーネスト・シャックルトンにちなんで名づけられた「シャックルトンクレーター」もその1つだ。直径が20km以上、深さが3km以上ある。 NASAや大学機関の研究チームが、LROのレーザ高度計を使ってこの

  • 宇宙は惑星だらけ? 続々見つかる地球サイズの星

    【2012年1月13日 NASA (1)/(2)/HubbleSite】 昨年12月発表の「ケプラー20e」に続き、地球よりも小さな系外惑星がさらに3つ発見された。こうした地球型惑星がありふれた存在だということが「第3の手法」により統計的に明らかになってきたほか、昨年9月の初発見に続く「2つの太陽をもつ惑星」の存在など、系外惑星研究は急展開を見せている。 これまで見つかった中でもっともコンパクトな惑星系「KOI-961」。図は木星とのその衛星の軌道と並べてスケールを比較したもの。クリックで拡大(提供:Caltech) 2011年12月、直径が地球の0.83倍(当時の最小記録)という系外惑星ケプラー20eの発見が発表されたが、さらに小さい惑星が見つかった。中心の恒星「KOI-961」は直径が太陽の6分の1しかない赤色矮星で、その周りを周期2日以下で回る3つの惑星はそれぞれ地球の0.78倍、0

    serian
    serian 2012/01/13
    「従来多く見つかっていた木星型の巨大ガス惑星よりも地球程度の小型の惑星の方がはるかに多数派である」「重力マイクロレンズ法」
  • クリスマスに起こった不思議なガンマ線バーストの正体は?

    【2011年12月2日 NASA】 2010年12月にNASAのガンマ線天文衛星「スウィフト」が発見した奇妙な爆発現象の正体について、2つの説を調査した研究成果が1つの論文で発表された。一方は数十億光年も先で起こった新種の超新星爆発、もう一方は天の川銀河内の不思議な衝突現象という、全く異なるシナリオだ。 「超新星説」のイメージ図。赤色巨星(赤)に中性子星(青)がのみこまれ、暗い超新星爆発が起こる。参照先では動画を見ることができる(提供:NASA/Goddard Space Flight Center。以下同) 「彗星衝突説」のイメージ図。中性子星(青)に彗星状の天体がのみこまれていく ガンマ線バーストは、太陽一生分のエネルギーを一瞬にして放射する、宇宙最大の爆発現象だ。その中でも、昨年2010年のクリスマスの夜に起こった「クリスマスバースト」はあまりに不思議な現象だったため、その正体につい

  • 歴史に埋もれかけた、宇宙膨張の真の発見者

    【2011年11月14日 HubbleSite】 天文学における20世紀最大の発見のひとつ、「宇宙膨張」。一般的にはアメリカのハッブルが最初に発表したとされてきたが、一方で実はそれ以前にベルギーのルメートルが発表していたこともわかっている。このい違いは、どうやらこの「先の発見者」自身の功名心のなさによるものだったようだ。Mario Livio氏が「ネイチャー」誌に発表した。 「宇宙は全方向に一様に膨張している」 ― この宇宙膨張の発見はエドウィン・ハッブルの功績として一般に知られ、「ハッブル定数」と呼ばれる宇宙の膨張率を求めた論文は1929年に発表されている。2011年のノーベル物理学賞は宇宙の加速膨張の発見に与えられたが、ハッブル自身はノーベル賞を受賞する前に亡くなった。だがハッブルの名はあの「ハッブル宇宙望遠鏡」にしっかりと残っている。 遠い銀河ほど地球から遠ざかる速度が速い、つまり

    serian
    serian 2011/11/14
    重要性の認識と活用
  • 光る銀河核が「宇宙のものさし」の新たな目盛に

    【2011年9月29日 ニールス・ボーア研究所】 デンマークの研究グループから、遠方銀河の光る中心核までの距離を求める手法が発表された。宇宙の距離を測る基準として、120億光年以上かなたをカバーする新たな天体が加わったことになる。 活動銀河核のイメージ図。銀河中心核にある超大質量ブラックホールから強力なエネルギーが放射されている(提供:Niels Bohr Institute) 宇宙の性質を理解するために、天体までの距離を知ることは非常に重要だ。その基準となるものとして、ケフェイド(ケフェウス座δ星型変光星)やIa型超新星などがある。いずれも、一定の要素からわかる真の明るさと見かけの明るさとの相違から、その天体までの距離を割り出せるというものだ。 このたび、ニールス・ボーア研究所のDarach Watson氏らが、新たな基準として「活動銀河核(AGN)」を利用した距離測定に初めて成功したと

  • 2つの「太陽」を持つ惑星を初めて発見

    【2011年9月16日 SETI研究所】 映画「スター・ウォーズ」に登場するような、2つの太陽を持つ惑星が実在することが明らかになった。探査衛星「ケプラー」の観測から、200光年先の連星の周りを回る「周連星惑星」が初めて発見された。 惑星「ケプラー16b」(手前の小さな暗い点)と、中心の連星(奥側の2つ)のイメージ。2つの太陽の世界では、どのような光景が繰り広げられているのだろうか(提供:NASA/JPL-Caltech/R. Hurt) NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」は、惑星が恒星の手前に来ることで起きるわずかな減光を検出する手法(トランジット法)で惑星の存在を検知する。 はくちょう座の方向約200光年先にある「ケプラー16」も、この手法で惑星が発見された恒星の1つだ。SETI研究所のLaurance Doyle氏らが、惑星が手前に来るタイミング以外でも減光が起きていることに気づ

  • 「星がたくさん出来るのは材料が多いから」と判明

    【2011年9月14日 ヨーロッパ宇宙機関】 「星がたくさん出来るのは材料となるガスが多いから。」―いたってシンプルな結論だが、銀河内での星のベビーブームを誘発すると思われてきた銀河同士の衝突が、実は宇宙史のうえでは標準的な要因ではないことがわかってきた。 銀河内で星を生み出す材料となる低温ガス流のイメージ図(提供:ESA--AOES Medialab) 調査対象となった領域。それぞれ満月の約3分の1の大きさの範囲にある多数の銀河を観測する。赤外線の波長ごとに色分けしている。クリックで拡大(提供:(左)ESA/GOODS-Herschel consortium/David Elbaz、(右)ESA/GOODS-Herschel consortium/NASA/JPL-Caltech/David Elbaz) 100億光年以上かなたの宇宙には、現在の天の川銀河の数百倍もの勢いで次々と星が生ま

  • 「海王星式」系外惑星の見つけ方

    【2011年9月13日 ハーバード・スミソニアン天体物理センター】 NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」が、既知の系外惑星の公転周期が乱れている様子から新しい惑星の存在をつかんだ。海王星発見に類似したこの手法で系外惑星が発見されたのは初めてで、この新惑星はその存在以外まだ何もわかっていない。 これまでに発見された系外惑星の数はいまや600個以上にも及ぶが、NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」が見つけたものの中に、公転周期が微妙にふらつくものが発見された。どうやらこれは別の惑星の存在を示しているらしい。 公転周期に異常が見られた惑星は「ケプラー19b」と呼ばれ、地球からは約650光年かなたの恒星「ケプラー19」から約1,300万km離れた軌道(注)を9日と7時間かけて公転している。その大きさは地球の2倍ほどで、主星に近いため表面温度は500度近くにもなる。 このケプラー19bは当初、単独

    serian
    serian 2011/09/22
    既知のものの公転周期の乱れ
  • 太陽の磁場サイクルに異変? 「ひので」の観測成果と黒点動画

    【2011年9月6日 JAXA】 太陽観測衛星「ひので」の観測により、太陽の北極と南極における磁場の対称性が崩れていることが初めて明らかにされた。太陽に長期的な異変が起こっている兆候のひとつとみられる。また、黒点の様子を4日間にわたり鮮明にとらえた世界初の動画が公開された。 太陽の活動領域NOAA 11039を観測した動画の1コマ。クリックで拡大(データ提供:JAXA 清水敏文) 太陽の活動周期グラフ。クリックで拡大(データ提供:国立天文台太陽観測所) 太陽観測衛星「ひので」は2006年に打ち上げられて以来、太陽磁場やコロナに関する重要な発見をもたらしてきた。その観測データに基づいた研究の査読論文は今年中に500編に到達する見込みだ。 その「ひので」が、太陽表面で黒点発生前から黒点群が形成されるまでをとらえた世界初の動画が公開された。 下記〈参照〉リンクから見ることができる動画では、磁場の

  • 生まれたての星からのジェット噴射を初めて動画化

    【2011年9月5日 HubbleSite】 生まれたばかりの星が発するジェットを14年間にわたり数回撮影した画像をつなげることで、その変化の様子が初めて動画化された。これにより、計算機を使ったシミュレーションの結果と今回の「動画」を比較しながら、星の初期段階についてより精密な研究を行うことができるようになる。 動画に使用された原始星のジェットの画像。上のジェットがHH47、左下がHH34、右下がHH2。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and P. Hartigan (Rice University)) 円盤に囲まれた原始星から両極方向にジェットが噴き出している様子のイメージ図(提供:CXC/M. Weiss) 通常、天体が繰り広げる現象は人間の一生よりもずっと長期間に及ぶため、その変化の様子をとらえることは難しい。だが今回、原始星が噴き出すジェットと周囲にあるガスが時間ととも

    serian
    serian 2011/09/05
    物質を周辺から吸って、回転軸両方向にジェット噴射
  • 準惑星候補天体の表面にも氷とメタンの層が存在?

    【2011年8月25日 ケック望遠鏡/カリフォルニア工科大学】 アメリカの研究グループが準惑星候補天体の1つである2007 OR10の観測を行ったところ、その表面には氷が存在しており、さらにメタンも存在している可能性があることがわかった。メタンのような揮発性の物質がどのくらいの大きさの天体で存在できるのか、その境界を探るうえで2007 OR10は有用かもしれない。 太陽系の遠方、冥王星が存在する軌道近辺は非常に温度が低いため、そこそこの大きさを持つ天体は氷の火山を持ち、噴火によって表面に氷をまき散らすことがあると考えられている。 今回観測された天体2007 OR10も、そのような準惑星候補天体の1つだ。2007年に発見された際には、氷に覆われていて表面はきっと白いだろうということで、一部研究者の間では「Snow White(白雪姫)」というあだ名が付けられていた。 しかし発見からほどなくし

    serian
    serian 2011/08/26
    氷の火山で白 / メタンが宇宙線で炭化水素鎖に変化して赤く
  • 隕石の中からDNAの構成要素と宇宙由来の有機物を確認!

    【2011年8月22日 NASA】 アメリカの研究グループが、DNAを構成する塩基の一部と地球上で天然に作られることのない生命に関連した有機物を、隕石の中から発見した。これまでも隕石の中で様々な有機物が作られてきたと言われていたが、この発見によりその説が間違いないと言えそうだ。 隕石と有機物の化学式イメージ。クリックで拡大(提供:NASA's Goddard Space Flight Center/Chris Smith) 隕石のうち、特に炭素に富んでいる炭素質隕石と呼ばれる隕石や、NASAの探査機「スターダスト」が持ち帰った彗星のチリの中には、アミノ酸など生命を構成する基的な有機物が見つかっている。地球外で生命を構成する有機物が合成されているという話は、以前より研究者の間では議論されていた(注1)。 これまでももちろん、地球の生物による汚染の影響を最小限にすべく慎重に分析が行われてきた

    serian
    serian 2011/08/25
    わが父祖は天より来れり
  • 天の川銀河をとりまく巨大な3つのリング

    【2007年6月18日 Spitzer Newsroom】 天の川銀河に巨大な星の流れが3つ発見された。これらは、互いに衝突したり引き裂かれたりした銀河や星団の残骸と考えられている。もっとも近いものは地球から1万3000光年の距離に、もっとも遠いものは地球から13万光年の距離に存在しており、いずれも完全なリングとして銀河を取り巻いているようだ。 カリフォルニア工科大学スピッツァーサイエンスセンターのCarl Grillmair氏は、スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)のデータを分析し、天の川銀河をとりまく3の巨大な星の流れを発見した。SDSSでは、すでに全天の4分の1にあたる約7000万個の星の観測が行われている。 Grillmair氏は、SDSSで観測された球状星団に存在する星の1つ1つについて明るさや色を比較し、距離や年齢の星ごとにグループ分けを行った。グループの分布から浮

  • これまでの理論も吹き飛ぶ? 1秒間に1,122回転する中性子星の証拠

    【2007年2月21日 ESA News】 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のガンマ線観測衛星インテグラルが、超高速で自転する中性子星に由来するとみられる信号をとらえた。解釈が正しければ、中性子星は1秒間に1,122回転している。従来の理論をはるかに上回る数値で、遠心力で中性子星が分裂してしまう限界速度に近い。 インテグラルが観測したのは「XTE J1739-285」と呼ばれるX線源。ふだんは検出できないが、間欠的にX線を放つのが特徴だ。1999年にNASAのX線観測衛星RXTEが発見し、2001年、2003年、そして2005年にX線バーストを起こしているのが確認されている。 XTE J1739-285の正体は、中性子星(解説参照)がほかの恒星の周りを回っている連星らしい。中性子星はとなりの恒星からゆっくりとガスを引き寄せるが、それが表面に5〜10mほど積もると、爆発的な熱核反応が始まり、数秒

  • 天体物理の新しい扉を開く大発見、パルサー同士の連星

    【2004年1月22日 RAS Press Releases】 オーストラリアのパークス電波望遠鏡(直径64m)によって、パルサー同士の連星が初めて発見された。 発表によると、23ミリ秒周期のパルサーPSR J0737-3039Aの周囲を2.4時間で巡っている天体は、従来考えられていたような単なる中性子星ではなく、それ自身も2.8秒周期のパルサーPSR J0737-3039Bだということだ。パルサー同士の連星が発見されたのは初めてである。この特殊な連星によって、アインシュタインの一般相対性理論の検証に関わる精密なテストができるだけでなく、パルサーの磁気圏という、今まで知り得なかったパルサーの外側について情報も得られそうだ。 パルサーAは、重力放射によりエネルギーを急速に失いつつある。8700万年後には、重力波を放射しながら連星同士が合体し、最後にはブラックホールへと変わる。重力波の存在はア

  • パルサーとマグネターを結ぶミッシング・リンクか (NAOニュース)

    【2001年1月26日 国立天文台・天文ニュース (411) (2001.01.25)】 パルサーは強い磁場をもち、急速に自転している天体です。磁場の強さは10の8乗テスラと、地球磁場の一兆倍にも達します。磁化の向きと自転軸の向きが異なるため、磁極の方向に放射される電波などが自転にともなって回転し、地球上の観測者はその放射が自分の方向に向いたときだけ、それをパルスとして観測します。このようなパルサーはこれまでに1200個以上発見されています。パルサーは超新星爆発の後に生まれる中性子星と考えられ、半径が10キロメートル程度しかないにもかかわらず、太陽程度の質量をもつという超高密度の天体です。 一方、マグネター(magnetar; 磁石星)とは、通常のパルサーのさらに1000倍にも及ぶ強い磁場をもつ天体で、X線、ガンマ線の観測によりこれまでに何個か発見され、珍しい天体として天文学者の関心を集め

  • 褐色矮星と中性子星の意外な共通点

    【2007年5月2日 NRAO Press Releases】 近年まで電波による観測では検出が不可能とされていた、星のなりそこないである「褐色矮星」だが、その中には規則正しく強力な電波を発するものがあるらしい。 褐色矮星から電波が放出されている現場の想像図。クリックで拡大(提供:Hallinan et al., NRAO/AUI/NSF) VLAが検出した褐色矮星のパルス状の電波。パルスは、1.958時間に1回という規則的なもの。クリックで拡大(提供:Hallinan et al., NRAO/AUI/NSF) 「褐色矮星」とは、質量が小さいため太陽のように核融合反応を起こして自ら光り輝くことはない、いわば星のなりそこないの天体だ。近年まで強い電波を発することがない天体と考えられてきたが、2001年に学生のチームが褐色矮星から突発的に放出された電波を観し、当時の研究者たちを驚かせた。 そ