先日から話題となっている「日大アメフト事件」では、「危険タックル」を指示したとされる監督と選手の関係に注目が集まった。報道を見る限り、監督は極めて強権的で、試合に勝つためには手段を選ばない人物だったようだ。アメフト部内には、異を唱えられるコーチはいない。しかも監督は、大学の幹部まで務めている。 大学生の一選手が逆らえるはずもない。たとえ悪いとわかっていても、「危険タックル」という反則を犯すよう追いつめられた。監督に嫌われれば、選手生命すら危うくなってしまうのだ。スポーツに反則はつきものであるとはいえ、極めて悪質なタックルだった。にもかかわらず、日本中が騒然となり、選手には強い同情が集まった。その背景には、あの監督と選手に似た関係が、一般社会でもよくあるからではなかろうか。 スポーツでは何より「勝利」が追求される。同様に企業は、「利益」を重視する。安倍政権の「成長戦略」の不発ぶりが明らかにな