学校図書館は、生徒が「評価」されない稀有な場所である。 大人一歩手前の高校生にとって、そんな場所に「対話」のできる司書がいることは決定的に重要だ——それぞれの事情に耳をかたむけ、個々の希望や関心と資料とを繋げる人。さらに教師たちと資料を繋ぐ人でもある。高校図書館の活性化は司書の対応にかかっている。 しかし現実には、埃をかぶったままの図書館や、司書が不在で閉まっているところもある。図書館予算も少ない。「学校司書」の法制化は、まだ途についたばかりだ。 司書として30年のキャリアをもつ著者が、生徒や教師たち、さらに地域の人たちの応援を得て、「もっと自由でもっと楽しい場所にしたい」と日々模索する現場からの報告。図書館報の作成や学校祭参加、学外活動まで、具体的な示唆に富み、問題点も浮き彫りになる。 高校図書館に特化したはじめての本であり、同時に、広く学校図書館のあり方について再考をうながすだろう。「
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