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2021年1月22日のブックマーク (2件)

  • nix in desertis:書評:『世界哲学史』1〜4巻(ちくま新書)

    ちくま新書の全8巻の哲学史の解説書。編者は4人だが,著者は章ごとに異なり,1巻あたり10章で構成されているから10人以上の著者が参加している(これにコラムも3〜4つずつ入っていて,これも著者が異なる)。こうした著者が章ごとに異なる書籍にはありがちなことだが,コンセプトや想定読者の理解力における統一感が巻ごとで大きく異なり,それがそのまま巻ごとの読みやすさに直結している印象。「世界哲学史」という大上段なコンセプトに挑み,自らの専門分野の持つ共時性や歴史的意義にアプローチしている著者もいれば,自分の最近の論文そのままで手を加えてないじゃろという著者もいた。著者の責任なのか編者の責任なのかはわからないが,せっかくコンセプトが面白いのにもったいない不統一であると思う。 1巻「古代Ⅰ 知恵から愛知へ」 人類文明が成立してから「枢軸の時代」を通じて,紀元前1世紀頃まで。サブタイトルの通り,そもそも人類

    shigak19
    shigak19 2021/01/22
    一部積読中
  • nix in desertis:高校世界史の教科書で「ニューディール」をいかに扱うか

    高校世界史深掘りシリーズ。一般にフランクリン=ローズヴェルト政権がとったニューディール(政策)はアメリカ経済を回復させ,世界恐慌からの回復を実現したというイメージを持たれていると思われる。実際にはアメリカは1937年の秋頃に再度不況に突入し,1938年には二番底を経験している。ニューディールは議会と司法の抵抗により当初の想定よりも小規模でしか実現されず,十分な効果を発揮することができなかった。司法の抵抗としてはNIRAの違憲判決が有名であろう。議会は共和党はもちろん,民主党も南部の保守派が強く抵抗した。ちょうど民主党がリベラル旋回の途上にあって,伝統的な民主党の党員と亀裂が生じていた時期と重なっていたというのは見過ごされがちであるかもしれない。結局,アメリカが世界恐慌からの完全な脱却に成功したのは第二次世界大戦による軍需拡大の貢献が大きい。 しかし,ではニューディールの歴史的意義が過大評価

    shigak19
    shigak19 2021/01/22
    いつもながら丁寧なお仕事で、逆に諸説ではなく力点でも工夫のしようは色々あるのだなと/日本現代史の方で、初期占領政策の「ニューディーラー」の存在という話題は割と昔からある訳だが最近どうなってるのかな