道にポツンと青ネギが落ちている。横断歩道の真ん中に落ちていたり、駐車場に落ちていたり。 その姿には心に訴えるものがある。なんとも言えず寂しげで、それでいておかしみもあって、言葉にできない感情がわき起こる。一体どんな人が落としていったのだろうか……と想像力もかき立てられる。 “道に落ちているネギの写真”を集めてフリーペーパーを作った人がいる。めくってもめくってもネギが落ちているだけ。なんの説明も、タイトルすらない。このフリーペーパー自体が、まさに落ちているネギのようにつかみどころがない魅力を持っている。 そのフリーペーパーを作ったのが、私の友達だった。順序がおかしいか。友達がそういうフリーペーパーを作ったのだ。せっかく友達なので「なんで?」と聞いてみることにした。