奈良県大淀町の町立大淀病院で平成18年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った同県五條市の高崎実香さん=当時(32)=が19病院から転院を断られた末に死亡した問題で、夫の晋輔さん(27)らが診断ミスが原因として、町と同病院の担当医に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、大阪地裁であった。大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は「最善の措置をして直ちに搬送しても、病態の進行が急激で救命の可能性は極めて低かった」として請求を棄却した。 判決によると、実香さんは18年8月7日に分娩が始まり、8日午前0時過ぎに脳出血して意識を失った。医師は午前1時50分に転送先を探し始め、午前5時ごろに大阪府内の病院への転送を開始。実香さんは16日に脳出血で死亡した。 原告側は「脳病変を疑ってCT検査を実施するべきだった」と病院側の過失を主張したが、大島裁判長は「CT検査が早期搬送の妨げとなることも考