イスラム教シーア派の信者にとっては、この墓地はとても重要な場所である。正しい行いをした男女の魂は、例えどんな場所に埋められていてもここに集まってくると信じられているからである。 当然、多くの預言者や王、王子、スルタンがここに埋葬されている。たとえば、預言者フッド、預言者サレー、ダアワ党創始者のムハンマド・バーキル・サドル、そしてイスラム教第四代カリフであり、モハメッドの正統後継者であるアリー・イブン・アビ・タリブ達もここに眠っている。 ワディ・アル・サラームの墓は焼き煉瓦と漆喰で作られており、墓によって高さが違う。普通の墓石に交じって、富裕層が建てた部屋のような家族用安置所がある。 大抵は天井がドーム状になっていて、梯子で降りていくと地下にアーチ型の墓所がある。また、1930年代から1940年代にかけて作られた墓は特徴的だ。丸屋根の高さ3mの塔のようなものが突き出ており、まわりを見渡せるよ