「自分へのご褒美」「しわのない顔で人生を締めくくりたい」。こんな理由から、葬儀の遺影に肖像画(遺影画)を使う動きが広がりつつある。生前に棺おけや死に装束を決めるなど、自分らしい最期を迎えるための活動「終活」の一環。三重県名張市内で肖像画ビジネスを展開する柏元三さん(70)=桔梗が丘8=は「描かれた人の人生そのものまで表現しているような味わいがあるのが好まれるのでは」と人気の理由を明かす。【広瀬晃子】 ◇発端は亡父の思い 柏さんは、化粧品原料メーカーに勤めていた頃、出張した中国で、肖像画が普及していることを知った。「おやじが生前、欲しがっていたな」。当時は高すぎて買えなかったが、中国では専門の画家が多く、価格は日本の5分の1ほど。「日本でも需要があるはず」と、現地の画家と契約し、2000年からビジネスをスタートさせた。 ◇本人の希望通りに 肖像画の注文の中で、遺影画は約半分を占める。