初戦のスペイン戦に勝ったあと、わたしは「これは奇跡ではない」と書いた。あの試合は、見えざる力によるありえない結果、ではなかった。完璧な挑戦者が弛緩(しかん)した王者を打ち破った、番狂わせではありながら必然とも言える勝利だった。ゆえに「奇跡ではない」と書いたのだが、書きながら、あまりにも安易に「奇跡」という言葉を使ってしまう人たちに対する軽い反発を覚えてもいた。 なので、いささかの後ろめたさはある。舌の根も乾かぬうちに、と思う自分もいる。いるのだが、それでも使わずにはいられない。 これは、奇跡である。 決勝トーナメントに進出したことが、ではない。ブラジルでさえ3―2と苦戦したエジプトを粉砕し、44年ぶりの準決勝進出を決めたから、でもない。 情けなくなるほど貧弱な内容の試合でも、勝てればすべてを良しとしていたのが、ほんの2年前までの日本人だった。それが日本人にできるサッカーの精いっぱい
歌手の本田美奈子さんが、急性骨髄性白血病のために38歳の生涯を終えてから、はや6年半がたつ。その遺志を受け継ぎ、患者の支援活動を行っている「リブ・フォー・ライフ美奈子基金」が、彼女の遺稿を絵本として出版することになった。 ▼シリーズ第1作の『ありがとう』(ポプラ社)が、小紙読者の井口和子さんから送られてきた。絵を担当する、水戸市在住の辻友紀子さん(32)は、井口さんのお孫さんだ。5歳のとき、徐々に筋力が失われていく進行性筋ジストロフィーと診断された。15歳で車椅子生活となる。現在は、人工呼吸器を付ける生活が続いている。 ▼閉じ籠もりがちの世界を広げてくれたのが、18歳から始めたパステル画だった。パステルを持った右腕を左手で支えながら描く技法で、仕上げていく。絵本や展覧会を通じてファンは増える一方だという。 ▼本田さんが遺(のこ)したノート10冊分の文章のなかから、辻さんが選んだのが、「あり
岡田斗司夫が毎日新聞で連載していたコラム「異論反論」をまとめました。 岡田は、2010年4月から2011年3月まで、ほぼ月一で担当しています。 メイキングは、岡田斗司夫が解説などを付け加え、日記として発表したものです。 【評価経済講座】は、岡田の文章をもとに、評価経済とは何かを、FREEexメンバーが解説したものです。 東日本大震災直後に書かれた最終回はおすすめです。 自身の「良心の指針」とした人も多かったのではないでしょうか。 2010年4月掲載・毎日新聞「異論反論」 読んでいない本は不良債権 メイキング 評価経済講座(1) 2010年6月掲載・毎日新聞「異論反論」 ネットの選挙利用 メイキング 評価経済講座(2) 2010年7月掲載・毎日新聞「異論反論」 消費税10%論 メイキング 評価経済講座(3) 2010年8月掲載・毎日新聞「異論反論」 拡張型家族 2010年9月掲載・毎
サイデルが手がけるNYやロンドンの個性派ホテル 新世代の個性派ホテルとして注目されているサイデル・グループ。同グループが運営する都市型のホテルはビジネス客のすべてのニーズに応じることがコンセプト。その充実度は自給自足の島に例えられるほどだ。ニューヨーク、ワシントン、ロンドンにある各ホテルを紹介。
今、出版界はフリーランス受難の時代である。 そもそも、書く場所自体が減っている。今年に入って『TOKYO1週間』『ぴあ関西版』『PCジャパン』『科学と学習』『小学五年生・六年生』など歴史がもあり名も通った雑誌が、10誌も休刊になった。 オピニオン雑誌の老舗『論座』や『現代』も、一昨年暖簾を下ろしている。 それに輪をかけて、外部に発注しなくなっている。どこの出版社でも経費節減の大号令がかけられており、外部に発注したくてもなかなかできない。それまで外部発注していた小さなコラムを社員編集者や契約スタッフなど「中の人」が書くようになり、顔写真や店舗写真も自分でデジカメで撮ってくるようになったのだ。 請負単価もどんどん下がっている。昔、バブル華やかなりし頃、飛ぶ鳥を落とす勢いだった男性誌で、「カラー見開き(4P)で15万」の仕事を請け負っているフリーライターが眩しく思えたこともあった。だがそんなどん
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く