「孤独死」――誰にも看取られずに自宅で亡くなり、死後、2、3日以上たってから遺体が発見される死。独り暮らし世帯がいま、増えている。とくに65歳以上の高齢者の独り暮らしは増える一方だ。これからは誰にとっても他人事でなくなる孤独死の実態を、データや現場の声を通して描く『孤独死のリアル』(講談社現代新書)。著者・結城康博氏は、介護保険など社会保障政策の論者として知られるが、以前は都内区役所のケアマネジャーなども経験した福祉専門職員。現場経験も長い。その経験や視点をふまえた同書について語ってもらった。(聞き手=編集部) 孤独死に関わる人々を全国に訪ねた ――この本では、孤独死の現場に関わるさまざまな人の話が出てきますね。 結城 ひとりの人が孤独死で亡くなると、ほんとうに多くの人が関わることになります。遺体が発見されたらまず警察、検視医など。そのあとは葬儀業者、僧侶、便利屋や遺品整理業者、行政の担当