小売り各社は、店舗で排出される食品廃棄物を肥料に替え、それを使って収穫した野菜を再び店舗で販売する食品リサイクルループ(輪)を構築する取り組みを強化している。イトーヨーカ堂は21日から、千葉県内で直営農場を運営し、すべて自社管理による野菜リサイクルループを構築する。10月中旬には5種の野菜が店頭に並ぶ予定だ。 イトーヨーカ堂では、千葉県内の松戸店など6店舗から出る食品廃棄物を、セブンーイレブンと協同で運営する堆肥(たいひ)化センター「アグリガイアシステム」(千葉県八街市)で肥料に替える。さらに、できた堆肥を同富里市に設立する農業生産法人で活用し、生産された野菜を再び6店舗で販売する完全なリサイクルループを始める。 イトーヨーカ堂青果部の戸井和久シニアマーチャンダイザーは自社完結型の取り組みについて、「卸などの中間コストが省けるだけでなく、生産の履歴が一括に把握でき、安全性も高まる」と利点を