もしすべての人に生存権があるならば、当然、それを放棄する権利もあるはずだ。放棄することが許されないのなら、それは「生存権」ではなく「生存義務」になってしまう。人は義務ではなく、権利として生きているのではないのか? 生は尊いものだが、だからといって誰かに生きることを強要することはできない。 たとえば仕事を失い、家族も無く、貯金も無く、その上猛烈な苦痛を伴う不治の病に掛かってしまった50歳が自らの死を望んだとき、いったい誰に止められよう。「がんばって生きましょう」と口で言うのは簡単だが、無責任に過ぎると思う。 貧困や重病、絶望的な老後など……理由はそれぞれだが、この世には「死にたがっている人たち」がたしかに存在する。ならば、彼らに苦痛の無い安らかな死を与える「サービス」がそろそろ必要なのかもしれない。 本気で死にたがっている人たちを止めることはできないし、無理に行き場を奪えば危険な事故につなが