震災で変わる仏教界 寺の外とつながる試み東本願寺の子どものつどい。念珠作りも子どもたちに大人気だった=京都市下京区 臨床仏教公開講座には全国各地から、僧侶らが参加した=東京都文京区 【泗水康信】東日本大震災が、仏教界に変化をもたらしている。あの時、寺は避難所となり、お経が被災者の悲しみを鎮めた。祈りや宗教に目が向けられる中、目立つのは寺の外とのつながりを意識した試みだ。まもなく震災から3回目のお盆――。 ■「脱・葬式仏教」 先月10日、東京都文京区。「臨床仏教研究所」の神仁(じんひとし)・上席研究員(52)が、全国から集まった僧侶たちに語りかけた。 「一昨年の3月11日を機に、日本社会は大きな転換を迫られている。これまでにも増して、仏教者の果たすべき役割を痛感します」 いじめられている子の悩みを聞く。引きこもりの若者や一人暮らしの高齢者の心をほぐす。終末医療の現場にかかわる――。生老病死に