福岡市早良区の臨床心理士で医療に詳しい藤井悟子(さとこ)さん(62)が著書「延命治療について知っておきたいこと-こころに添う最期」を出版した。延命治療の内容や、終末期の医療について自分の希望を記す「事前指示書」の書き方に関するアドバイス、そのまま記入して使える「ひな型」も盛り込んだ。藤井さんは「命の終え方は最後の生き方。最期をどう迎えるかを自身や家族が考えるときに、この本が役に立てば」と話している。 藤井さんは、85歳だった母親の最期の医療をどうすればいいのか迷ったり、不安になったりした経験を踏まえ、2012年8月に冊子「やってくる死と自分らしさと 延命治療-いのちの終わり方を考える」を書き上げた。本紙記事などで無料提供を表明すると申し込みが相次ぎ、配布数は約800冊になった。 その反響ぶりに、延命治療に対する人々の関心の高さをあらためて認識。冊子を読んだ人から「事前指示書のひな型があれば
24年にわたる介護生活を作品にしたためてきた長崎市の詩人、藤川幸之助さん(51)=「上」は19日掲載。昨年9月末に逝った母キヨ子さん(享年84)は、人生の3分の1を認知症として過ごした。つまり藤川さんは、人生の半分を認知症の母に寄り添ったことになる。 自宅で見せてくれたキヨ子さんの遺影。認知症になる前の笑顔の写真の隅に、認知症を患ってからの小さな写真が挟んであった。藤川さんにとって「一番、母らしい写真」であり、その姿を「天衣無縫の母になった」と表す。そんな思いは詩作「遺影」「愚かな病」などににじむ。認知症の母を「恥ずかしい」と思っていた藤川さんの心は、どうして変わったのか。 2000年、キヨ子さんを実家のあった熊本県から長崎市の介護施設に移した。これを境にキヨ子さんは言葉を失い、食べられなくなる。藤川さんの判断で胃に穴を開ける胃ろうを施し、寝たきりになった。 弱っていく母を前にして、紙オム
高齢者の経験“買います” 臼杵市が10月からポイント制 [大分県] 2013年09月28日(最終更新 2013年09月28日 01時33分) 臼杵市は10月1日から、ボランティア活動に取り組む市内の65歳以上の高齢者を対象に、現金などと交換できるポイントを付与する制度を始める。中野五郎市長は「長年培った経験を地域で生かしてもらいたい」と話している。 市によると、9月1日現在の65歳以上の高齢化率は34%で、10年後には40%に達するとみている。このため、お年寄りが積極的に支え合う地域をつくろうと企画した。 「お達者長生きボランティア制度」と名付けた活動は、介護施設の食堂内での配膳やシーツ交換、散歩や外出の補助のほか、児童の登下校時の見守りや声かけ、地域で開かれるイベントの会場設営手伝いなど。活動内容を自分で選び、市役所で登録手続きをすれば、手帳が交付される。市は初年度、100人の登録を見込
空き家対策 実効性高める法整備急げ 2013年09月03日(最終更新 2013年09月03日 10時33分) 放置され、荒れ果てる空き家が全国的に増え、社会問題となっている。 空き家が適切に管理されずに放置されると、強風や地震など災害時に倒壊する恐れがある。放火やごみの不法投棄などの犯罪や被害にもつながりかねない。 管理が不十分な空き家対策として、自民党が防災・防犯などの観点を踏まえ、安全性の確保などを図る新たな法案づくりを進めている。早ければ、秋の臨時国会に議員立法で提出するという。 すでに多くの自治体が条例制定などを通じてこの問題に取り組んでいるが、限界もある。政府や国会は実態を把握し、実効性を高める法整備を急ぐべきだ。 5年ごとに実施する総務省の調査によると、2008年の全国の空き家は757万戸で、住宅全体の13・1%を占めた。この20年でほぼ倍増したという。 少子高齢化や人口減少な
終末期医療とケア、在宅サービスなどの課題を、医療や福祉の関係者、患者、市民らが学び合う「日本ホスピス・在宅ケア研究会」(神戸市)。7月には長崎市で全国大会が開かれ、在宅医療・福祉を担う地域のネットワークをテーマに、長崎の実践や各地の先進的な取り組みが紹介された。6日と7日にあった大会の様子を報告する。 6日は連続シンポジウムを開催。第1部で多職種が連携する「長崎方式」の取り組みを全国に発信した。 坂の町・長崎では往診が大変だが「病院から自宅に戻られない患者を出したくない」と志した開業医が連携。「長崎在宅Dr.ネット」を2003年に設立し、主治医とバックアップ役の副主治医が2人1組で24時間365日の安心を支え、自宅死率は約50%と高い。 その活動を側面支援するのが「長崎薬剤師在宅医療研究会(P-ネット)」。薬局の薬剤師が自宅を訪ねて薬の管理指導を担う。長崎市訪問看護ステーション連絡協議会が
70年間、心の支えにしてきたものがある。たんすの引き出しいっぱい、約150通に及ぶ手紙。26歳で戦死した夫が残したラブレターだ。 寂しいとき、悩んだとき…。宮崎市の貴島テル子さん(97)は折に触れて手紙を広げる。「気持ちが落ち着いて、元気になるんです。手紙の中の彼は生きているから」。海軍航空隊のパイロットだった夫の政明さんは、1942年9月5日、ソロモン諸島で戦死した。結婚から1年8カ月、一緒に過ごせたのはたったの75日間だった。 親友の兄だった政明さんと知り合ったのは、23歳のとき。父の赴任先の中国から宮崎に帰省中だった。海を隔てた手紙のやりとりが始まり、互いにひかれていった。 《貴女(あなた)を得ればほかのものを全て失っても悔いないくらいです》《毎日毎日貴女のことでいっぱいで苦しい》《この幸福が何時(いつ)までも何時までも続く様 確信すると同時に二人でそれを築き上げませう》 手紙は3日
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