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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (301)

  • サウディアラビア:捨てられた同盟国が取る道

    12月の第一週、サウディアラビアのバンダル諜報局長がロシアを訪問した。 シリア情勢をめぐる多国間協議である「ジュネーブ2」が来年一月に開催されることから、シリア反体制派に影響を持つサウディと、アサド政権を支援するロシアの間で、「黒幕」同士の腹の探り合いが進んでいるのかと、気になるところだ。 だが奇異に見えるのは、何故サウディは朋友たるアメリカを介してではなく、直接モスクワに乗り込んだか、ということである。なによりも、バンダルは9.11事件を挟んで、22年もの長きに渡って駐米サウディ大使を務めた人物だ。誰よりもアメリカとのパイプを持つ彼が、わざわざロシアに直接出向かなければならなかったところに、今サウディアラビアが抱える深刻な対米不信、アメリカ離れがある。 サウディアラビアのアメリカに対する不信が露になったのは、オバマ大統領がシリアへの軍事攻撃を諦めたときだ。へそを曲げたサウディは、国連安保

  • 「オバマケア」のシステム不具合で窮地に立つオバマ

    現在のアメリカでは「オバマケア」の名前で呼ばれる医療保険改革の問題が連日のようにニュースのヘッドラインになっています。と言っても、改革を進めるのか、あるいは共和党の言うように新制度を「廃止」するのかという議論ではありません。 10月からスタートした「新医療保険」、つまりこれまで保険に入れなかったか、あるいは入っていても保険料が高額で困っていた人向けの「政府の補助付きの新型医療保険」、その「加入申し込みシステム」の不具合が解消されないのです。この問題は今となってはスキャンダルと化して、一日一日とオバマ政権への信頼感を傷つけています。 一番の問題は、「強制移行」の対象者です。旧制度の下で、企業や官公庁などの「雇用主が保険会社と契約して入る保険」でカバーされていた人々(実際はアメリカ社会の多数派ですが)は、今回の制度改定での影響は余りありません。問題は、これまで「全額自己負担」という個人契約の医

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    a1ot 2013/11/15
    「オバマ政権は11月30日までにシステムの正常化を完了すると言っている」
  • 政府が商品を差し押さえて勝手に安売りの強引経済政策

    野党はアメリカと結託してわが国に「経済戦争」を仕掛けている──そう主張するベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が先週、軍に家電量販店を占拠させ、国民に政府が決めた「公正」価格での購入を呼び掛けた。 軍の標的となったのは、ベネズエラの家電量販チェーン店であるダカ、KVG、クラッシュで、これらの店舗は大混乱に陥った。当局は5人の店長を拘束し、不当に値段を吊り上げた罪で起訴するつもりだ。 何千人もの群衆が安くなったプラズマTVや冷蔵庫、洗濯機などを買おうと、店の前で行列をつくった。また中部の都市バレンシアのダカ店では市民による略奪が起き、5人を拘束したと政府は発表した。 だが識者の間では、これは12月の地方選挙を目前に控えた政府が人気取りのために仕掛けた略奪行為だと、非難の声も上がっている。「店の陳列棚にも倉庫にも何も残してはならない! すべては国のためだ」と国民に呼びかけたのは、マドゥロだから

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    a1ot 2013/11/13
    「政府を批判する人たちは、経済が瀕死状態に陥っているのは、資本逃避防止策として10年前から始まった為替管理政策のせいだと非難する。政府は、それは野党が米政府の支援を得て仕掛けている経済戦争だと主張
  • TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    東京の伝統美を「破壊者」から守れ 今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月1日号掲載〕  ホテルオークラは最先端のホテルではない。「古風」と言ってもいい。最新のiPhon

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  • 法王の教えに背く「ぜいたく司教」

    3月に就任したローマ法王(教皇)フランシスコは倹約をモットーに掲げる庶民派だ。自身は豪華な公邸でなくつつましいアパートに暮らし、教会にも質素倹約を呼び掛けている。 ところがドイツ西部に位置するリンブルク司教区のフランツペーター・テバルツファンエルスト司教(53)が、住居の改修に3100万ユーロ(約41億円)を投じていたことが発覚。司教の辞任を求める人々が問題の建物を取り囲む騒ぎになった。 ドイツでは教会に所属する信者に教会税が課されており、その額は昨年だけで60億ドル以上に上る。それだけに、聖職者の贅沢三昧に信者の怒りは収まらない。ローマ法王庁は先週、司教に資格停止処分を下した。 それにしても、さほど大きくもない一軒家の改築になぜそれほどの大金が掛かるのか。どうやら司教は2万ドルの浴槽や3万4000ドルの会議用テーブルを購入し、400万ドルを投じて個人用の礼拝堂を造ったようだ。 処分が下さ

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    a1ot 2013/11/09
    「ローマ法王 @Pontifex は倹約をモットーに、つつましいアパート暮らし。一方、教会に所属する信者に教会税が課される(昨年は60億ドル以上)ドイツの司教は、住居の改修に約41億円を投じていた」
  • 米情報機関に「監視」されても激怒しない日本政府

    CIA(中央情報局)とNSA(国家安全保障局)の元職員で元外注先エンジニアであった、エドワード・スノーデンに関して、オバマ政権は「大した情報は持っていない」として「小物扱い」をしていました。ですが、そのスノーデンは、ロシアに仮亡命後も「ドイツのメルケル首相の携帯電話も盗聴していた」という内容も含めて継続的に「暴露」を続けているわけです。 これを受けて、メルケル首相をはじめ、ドイツの政界や世論における対米感情は悪化しているようですし、フランスでも同じような動きがあるようです。もっとも、ヨーロッパ土を対象とした米英の「盗聴、監視活動」に対するEUの反発というのは、スノーデンの暴露が初めてではありません。 例えば、2000年から2001年にかけてはEU部の欧州議会では、米英同盟によるヨーロッパ土諸国を対象とした非合法的な盗聴行為が行われているとして、「エシュロン調査委員会」という委員会の調

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    a1ot 2013/11/06
    …「1990年代の冷戦終結後にクリントン政権が『せっかく作ったエシュロンの使い道がない』として、当時は米国経済の脅威であった日本の産業界の活動を『監視』するために盗聴行為を繰り返していたという報道」
  • 国が東電を「支援」する無責任体制はもうやめよう

    東京電力福島第一原発の汚染水が地下水や海水にもれている問題は、予想以上の広がりを見せ、いまだに全容がわからない。26日に現場を視察した茂木経産相は「汚染水対策は東電まかせでは解決は困難だ」とコメントしたが、率直にいって「今ごろ何いってるの?」という印象だ。 福島事故は広範囲に影響を及ぼす国家的災害であり、賠償や廃炉や除染も含めた事後処理のコストは、最初から私企業としての東電が処理できる規模ではない。それなのに東電をスケープゴートにして、国が賠償だけを原子力損害賠償支援機構で「支援」する、というフィクションでやってきたことが、問題をここまで混乱させた原因だ。 根的な問題は、今回の事故の責任はどこにあるのかという点だ。原発事故は最悪の場合、数万人が死亡する可能性があり、民間企業ではリスクを負いきれないので、電力会社の賠償責任に上限を設け、それ以上は政府が賠償する、というのがほとんどの国の制度

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    a1ot 2013/11/01
    「事故の直後に三井住友銀行の奥頭取が経産省の松永事務次官を訪れ『今回の事故は第3条但し書きに該当する』という口頭の了解をもらった。つまり国が無限責任を負うことを前提にして、2兆円の緊急融資を行なった」
  • 回避されたアメリカの財政危機、「ティーパーティー」の誤算

    稿の時点では、可決された法案がホワイトハウスに回付され、大統領の署名を待っているところですが、とにかく「政府閉鎖」と「デフォルト危機」をめぐる与野党のバトルは終わりました。上院は圧倒的な過半数で通過した法案ですが、心配された下院の票決も「賛成285、反対144」となり、共和党保守派の「ティーパーティー」としては完敗というところです。 これで当面の「デフォルト」の危険は去り、連邦政府の業務も再開されることになりました。2010年の中間選挙以来、アメリカ政界を「かき回して」きた「ティーパーティー」ですが、この敗北で影響力には翳りが生じていくものと思われます。 では、彼等は何を誤ったのでしょうか? (1)最初から作戦も落とし所もなかった、つまり無計画で「成り行き任せ」のくせにケンカを売ったというのが「そもそもの間違い」だと思います。最初に問題になった「政府閉鎖」にしても、テッド・クルーズ上院議

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    a1ot 2013/10/18
    「しかしまあ、アメリカというのは、つくづく「シナリオのないドラマ」とか、「締め切りギリギリの綱渡り」が好きな国です。その限りにおいて、アメリカの活力はまだまだ残っているのだと言えるのかもしれません」
  • アメリカ政府機関閉鎖をうらやむ中国人

    逆に凄い? 政府機関閉鎖の影響は思わぬところへ James Lawler Duggan-Reuters アメリカでは政府機関閉鎖が続いているが、今回の事態にプラスの側面を見出した人々がいる。中国の知識人だ。 当然のことながらアメリカ人は、今回の閉鎖は政府の機能不全の証とみている。しかし中国では、ある種の強さの表れとして捉える評論家が少なくない。今回のような状況は、強い経済力と国民の意思を反映する政治力を備えた民主主義国家でしか起きない----そんな羨むような声が、中国のソーシャルメディア上にはあふれている。 「政府機関閉鎖は悪いことか?」と中国のマイクロブログ、新浪微博(シンランウェイボー)のあるユーザーは問いかける。「アメリカのシステムでは、共和党と民主党と大統領が議論を戦わせるのはごく普通のことであり、来そうあるべきだ。課税や債務の増加といった問題は、納税者の利害と彼らが収めた税金に

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    a1ot 2013/10/16
    「課税や債務の増加といった問題は、納税者の利害と彼らが収めた税金に関わる。だから彼らに選ばれた政治家や大統領は、そうした問題を軽く扱ってはならない」
  • ケニア襲撃事件のお粗末な「真相」

    人質を取って立て籠もった武装勢力の制圧は困難を極めたが、治安部隊が4日目に建物に突入。最大15人ほどのテロリストは市民61人を殺害した後、追い詰められて放火し、建物の一部が崩落した──。これが先月、ケニアの首都ナイロビのショッピングモールを隣国ソマリアのイスラム過激派アルシャバブが襲撃した事件の「公式」な説明だ。 だが実態はかなり違ったようだ。当局は数カ月前から寄せられていたテロ情報を見逃しており、襲撃犯の数はわずか4人だった可能性もある。正規の治安部隊は何時間も現場に現れず、非番の警官が自警団らと協力して市民の救出に当たった。 建物を制圧した治安部隊は店内の商品を略奪し、バーでビールをあおっていた。建物の支柱をロケット弾で破壊して建物を崩壊させたのも彼らだ。瓦礫の下には、行方不明の39人が埋まっているかもしれない。 ケニア政府は犯人グループのうち5人を殺害したとしているが、遺体は見つかっ

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    a1ot 2013/10/16
    「建物を制圧した治安部隊は店内の商品を略奪し、バーでビールをあおっていた。建物の支柱をロケット弾で破壊して建物を崩壊させたのも彼らだ。瓦礫の下には、行方不明の39人が埋まっているかもしれない」
  • 「国際成人力調査」日本トップは喜べるのか?

    経済協力開発機構(OECD)が、24の国と地域で16~65歳を対象に国際成人力調査(PIAAC)という調査を行いました。この調査は今回が第1回なのだそうですが、日は「読解力」と「数的思考力」の平均点で1位となったとして、各新聞の社説などでは「日教育水準の高さが証明された」という種類の評価がされているようです。 この結果は各国でも報道されており、アメリカでは、例えばAP通信が配信した記事では「アメリカの成人の基礎学力が相当に低い」ということ、日はその点で大変に優れていることなどを取り上げて、「自分たちは何とかしなくてはいけない」というニュアンスで伝えられています。 ですが、私はこの発表を見て喜んでばかりはいられないものを感じました。2点申し上げておきたいと思います。 1点目は調査の評価の問題です。この調査ですが、4種類の領域で構成されています。(1)読解力、(2)数的思考力、(3)I

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    a1ot 2013/10/15
    「『英語による問題解決力やコミュニケーション力を備えた国際的なエリートを育成』『東京に特区を設けて外国企業を誘致』こうした動きばかりが脚光を浴びるということは、逆に、分厚く優秀な中間層に将来はない…」
  • スイス国民が徴兵制を望んだ理由

    永世中立の小国スイスは、人口800万人にもかかわらず、15万人という大規模な軍隊を持つ。19〜34歳の男性全員に兵役を課す国民皆兵制を国防の基盤としてきたためだ。 だが他国の脅威にさらされているわけでもないのに、莫大なコストが掛かる徴兵制を続けるのは時代遅れだとの批判が噴出。先週、徴兵制の是非を問う国民投票が実施された。 結果は有権者の73%という圧倒的多数が徴兵制の廃止に反対し、26州すべてで廃止反対派が勝利。今後も一部の職業軍人ではなく、国民全体で国防を担うとの意思が示された。 国防能力が損なわれるとして徴兵制撤廃に反対していた政府も胸をなで下ろしている。マウラー国防相は「軍隊と安全保障の強化に対する信任だ」と語り、来年予定されているスウェーデン製戦闘機グリペン22機購入の国民投票に意欲を見せた。 国民投票を呼び掛けた平和団体「軍隊なきスイスを目指す会」も、この結果を予想していたようだ

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    a1ot 2013/10/12
    「有権者の73%という圧倒的多数が徴兵制の廃止に反対し、26州すべてで廃止反対派が勝利」
  • アメリカの保守派はどうして「オバマの医療保険改革」に反対するのか?

    それにしても、誰でも病気にかかるのは怖いはずです。カゼならともかく、重い病気になればどうしても医者にかからないわけには行きません。その場合の費用を考えると「医療保険はいらない」という発想は考えられないはずです。「無保険」の場合、例えば突然に重病だということが判明し、高額な手術をしなくては助からない場合は、生命に関わることにもなります。 多くの先進国が「国民皆保険制度」を設けているのはこのためであり、先進国あるいは成熟国の場合は常識であると言えます。ですが、この「常識」をアメリカへ適用しようとしたオバマの「医療保険改革」に対して、今でも議会の下院共和党は「延期か廃止」を求めて一種の「ストライキ戦術」に出ているのです。要するに大統領と上院に対して「予算案」を人質に取って抵抗しているわけです。先週から続いている「政府閉鎖」が発生したのはこのためです。 下院共和党の背後にはいわゆる保守票があります

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    a1ot 2013/10/11
    「今回の新しい保険は『安かろう悪かろう』という面は否めず、高額な民間の保険では可能だった治療が対象外であるとか、馴染みの医者はダメで遠くの総合病院に行かなくては使えないということになりグレードダウン」
  • 航空自由化は発着枠オークションで

    航空会社が路線や便数を自由に設定できる「オープンスカイ」協定を締結することで、日米政府が11日に合意した。協定は羽田空港の第4滑走路の供用が開始される来年10月までに実施される予定で、これによって海外の航空会社が日の国内線にも就航できるようになり、内外を問わない競争で航空運賃が下がることが期待できる。 航空自由化は、いま問題になっている日航空(JAL)の経営問題にも関連がある。JALが経営破綻したり全日空に買収されたりして、日の大手航空会社が1社だけになると独禁法上の問題が生じ、飛行機の飛ばなくなる地方空港が出る、というのが国交省がJALを延命する理由だった。しかし自由化によって海外の格安航空会社(LCC)が国内線に参入し、JALの代わりにLCCが地方空港を発着する可能性もある。 その場合、ボトルネックになるのは羽田空港の発着枠だ。当面は国際線は日米4便に限定し、深夜早朝に割り当てる

    航空自由化は発着枠オークションで
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    a1ot 2013/10/05
    『発着枠の取引は、アメリカでは1980年代からケネディ空港(ニューヨーク)、ナショナル空港(ワシントン)、オヘア空港(シカゴ)などで実施されている』
  • 米「これは戦争ではない」の欺瞞

    アメリカの外交政策が他国で嫌われる理由を知りたければ、ジョン・ケリー国務長官が先週、上院外交委員会の公聴会で行った発言を聞けばいい。 「アメリカもシリアで戦争をしたいわけではない。議論しているのはその点ではない。大統領は、あなた方に戦争に行ってくれと求めているわけではない」 この言葉を踏まえた上で、あなたの国が爆撃されていると考えたら何が見えてくるだろう。 ケリーの言葉は支離滅裂だ。プロセインの軍事戦略家カール・フォン・クラウゼビッツは『戦争論』で、「戦争とは大規模な決闘以外の何ものでもなく」「敵をわれわれの意志に従わせるための暴力行為だ」と書いた。この古典的な、議論の余地のない定義によれば、オバマ政権がシリアに行おうとしていることは戦争そのものだ。 対シリア軍事行動の決議案が上下両院で可決されたら(もしかしたら可決されなくても)、アメリカは地中海に待機する駆逐艦や潜水艦からミサイルを発射

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    a1ot 2013/09/20
    『オバマ政権はシリアの一般市民の殺害も計画している。他国民を危険にさらすことを「戦争」と呼ばない。多くのアメリカ兵が危険にさらされるときだけが「戦争」』
  • シンガポールが外国人労働者を排斥へ

    絶好調な経済を誇るシンガポール。6月末の失業率はわずか2.1%で、1人当たり所得は主要国の中で最高レベル、GDPは世界で39位だった。しかし実際は、かなりの国民が不満や憤りを感じているようだ。 与党・人民行動党(PAP)は65年の建国以来、長期政権を維持している。2年前の総選挙でも勝利したが、得票率は過去最低を記録した。「PAPは、まるで会社みたいにシンガポールを動かしている。いろんな国から外国人を連れてきて、私たちの仕事をやらせようとしている」と、タクシー運転手は不満を口にする。 運転手の懸念は見当違いなように見えて、今のシンガポールの状況と合致している。政府の発表によると、11年に創出された雇用12万2600人のうち、8万4800人は外国人専門職だった。シンガポールには146万人の外国人がおり、人口の25%以上を占める。 近いうちにPAPが政権を失う、と気で考えている専門家はいない。

  • オバマの「対ロシア譲歩演説」の意外な評判とは?

    それにしても、全く異例な内容でした。というより、このタイミングで平気で演説をするというのが、そもそも「並の大統領」ではありません。9月10日(火)の晩、オバマ大統領がアメリカ国民に呼びかけたテレビ演説は、前代未聞と言っていいでしょう。簡単にその内容を整理してみましょう。 (1) シリアの化学兵器問題は、ロシアが提案している「化学兵器を引き渡して国際管理を行う」という案に乗って、外交的な解決を目指す。 (2) ただし、この間にシリアが軟化したのは、自分が「空爆を辞さず」という強い姿勢で臨んだことの結果であり、アメリカとしては依然として空爆のオプションは捨てない。 (3) 事態が一変した以上、自分が議会に求めた「議決」については、急がずに推移を見守ってもらいたい。 要するにこういうことですが、簡単に言えば、「人権問題やスノーデン事件で完全に敵対しているプーチン」の「平和的解決案」に対して、事も

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    a1ot 2013/09/12
    「先手を打って自分の立場を鮮明にするが、立ち位置の変更が必要ならそれも臆面もなくやってのけて落とし所を目指す。成り行き任せだがイニシアティブは握って離さない方法論について、世論から一定の理解を得た」
  • 「建築のジェノサイド」に気付かない日本

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔9月3日号掲載〕 鎌倉を世界文化遺産に登録しないように──ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)がそう勧告したことを受け、松尾崇・鎌倉市長と黒岩祐治・神奈川県知事は会見で無念さをにじませた。 鎌倉市当局は中世の都市としての「物的証拠が不十分」と指摘されたことを認め、私にこう説明した。人類の遺産として保護する価値があると世界に認めてほしいのは、鎌倉を取り囲む山々とその麓に点在する寺院や遺跡だ。そこに日独自のサムライ文化があると自分たちは考えているが、イコモスにはその意図が十分伝わらず、「武家の古都」とする根拠が不十分だと判断された、と。 黒岩知事は今回の勧告に「目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた」と語った。こんな妥当な判断に衝撃を受けているようでは、知事の体が心配になる。そもそも県の誇る珠玉・鎌倉がじわじわ破壊さ

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    a1ot 2013/09/10
    『シャネル日本法人の社長で作家でもあるリシャール・コラスは長年鎌倉で暮らし、この古都をこよなく愛している。コラスは鎌倉で、地元の名匠たちの手になる伝統的な日本家屋を建てた』
  • 囚人はなぜ簡単に自殺できるのか

    米オハイオ州の女性監禁事件の犯人が首を吊った。厳格な監視下にあるはずの刑務所で囚人の自殺が多いのはなぜか 米オハイオ州で約10年にわたり女性3人を監禁していた凶悪犯アリエル・カストロ(53)が3日夜、刑務所内で首を吊って自殺した。終身刑と禁錮1000年の有罪判決を受けて収監されたのは、わずか1カ月前のことだ。 カストロは保護拘置下に置かれ、30分ごとに看守が見回りにきていた。にも関わらず、誰にも気付かれずに自殺を遂げた。「保護拘置下にありながら、どうやって首吊り自殺を図ることができたのか」──今回の一件に限らず、刑務所の管理体制としてよく指摘される問題だ。看守たちは受刑者の自殺を阻止しようと対策に苦心しているが、いまだ有効な手だてが見つかっていない。 米司法統計局が最近発表した刑務所内の死亡率に関するデータによれば、2000年から2011年における地方の刑務所での死亡原因は自殺が突出して多

  • シリア政府は本当に化学兵器を使ったのか

    内戦状態が2年以上も続くシリアで先週、アサド政権側から放たれたとされるミサイルが首都ダマスカス近郊のゴウタに着弾した。化学兵器とみられる爆弾はガスを吐き出し、スンニ派の反体制派が支配する同地域で数百人規模の死亡者が出た、と報じられている。 現場の惨状は、シリアの反体制派が撮影した映像で世界中に拡散された。病院でけいれんする女性と子供、口や鼻から泡を吹く男性......。今回の攻撃が大きく報じられているのは、被害者の多さ故という面もある。 ただ化学兵器は当に使われているのかといぶかしむ声もある。ジャーナリストが誘拐や殺害されるなど報道が制限されるなかで、メディアは現地にいる反体制派の活動家、または人権団体の情報に頼らざるを得ない。そうした状況が、化学兵器の使用に対する疑念を生んでいる。 そもそも私たちが目にする映像は、どこまで現場の全体像を伝えているのか。反体制派が政府を非難するための偏っ

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    a1ot 2013/09/06
    「シリアにいる国連調査団は、攻撃の3日前に入国していたからだ。国連のイラク大量破壊兵器査察委員長を務めたロルフ・エケウスは「国際的な調査団が国内にいるときに、シリア政府がこんな攻撃するのは奇妙だ