(黒木 亮:作家) ここ数年、「桜を見る会」疑惑のように、権力の座にある政治家が、検証が難しいことには徹底して嘘をつくケースが増えているように感じる。この風潮には憤りを禁じ得ない。そして、世間が忘れかけている疑惑がもう一つある。小池百合子東京都知事のカイロ大学文学部社会学科卒業に関する学歴詐称疑惑だ。 小池氏の「学歴詐称疑惑」は、以前から囁かれており、週刊誌などでも取り上げられたが、決定的な証拠を突き付けるまでには至らなかった。そうした中、「文藝春秋」2018年7月号に掲載された『小池百合子「虚飾の履歴書」』(筆者・石井妙子、以下『虚飾の履歴書』)は、疑惑の核心に肉迫するレポートだった。 「カイロ大卒」の真偽を現地エジプトで徹底取材 『虚飾の履歴書』では、カイロで小池氏と同居していた日本人女性(以下「同居女性」)が、当時の小池氏の暮らしぶり、小池氏が1976年5月の進級試験に合格できず、そ