王滬寧(おう・こねい)。この名を聞いて誰なのか分かる人は少ないと思う。日本ではそれほど有名ではない。彼は中国共産党政治局常務委員、いわゆる「チャイナセブン」(中国共産党の7人の最高指導部のこと)の1人である。 日本のマスコミはあまり報じないが、王滬寧が政治局のメンバーに入ったことは重要な意味を持つと思う。それは、彼がいわゆる政治家ではないからだ。前歴は大学教授。中国では大学の先生が政治家に転じることはそれほど珍しいことではないが、それにしても政治局常務員にまで登りつめることは珍しい。 この20年ほど彼は党中央で働いていた。その仕事は指導原理を立案すること。共産党を代表するブレーンである。江沢民の打ち出した「三つの代表」や「科学的発展観」などの理論は彼が考え出したと言われる。また、習近平になってからは「中国の夢」や「中華民族の偉大なる復興」も彼が作った。 そんな彼が政治局常務委員に抜擢された
