旭川厚生病院麻酔科 玉川 進 行き倒れにマウス・ツー・マウスを行う勇気が読者諸氏にはおありだろうか。私がやったのは3回だけ。医師になってすぐに老人ホームに呼ばれて96歳のおばあさんにしたのが初体験だった。茶色い胃液が老人の口にボコボコと逆流してきてとても気持ちが悪かった。あとは手術室で1回、眼科病棟で1回。全て年上の女性とである。今なら老人ホームの事例では寿命だろうからマウス・ツー・マウスはやらないし、行き倒れにマウス・ツー・マウスができるかと聞かれれば、やっぱりいやだと返事してしまう。 ABCという明解な語呂合わせは、CPR手技の普及に貢献してきた。しかし、世界は今、マウス・ツー・マウス抜きで蘇生させる方向に動いている。 1 事例:北海道帯広市1) 67歳男性。急性心筋梗塞。とうもろこしを買いに来た男性が代金を払おうとトラクターの運転手に向かって50m走ったところで突然倒れた。運転手が近
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