去る10月31日、中国、米国、北朝鮮の3カ国の担当者が北京で非公式協議を行い、北朝鮮が近く6カ国協議に復帰することで合意したと発表した。 このニュースを聞いて、いま一つ納得できなかった人も多いのではないだろうか。というのも、米国の金融制裁や中国の石油輸出停止によって、北朝鮮はかなり追い詰められていたはずだ。状況としては、北朝鮮が譲歩せざるを得ない場面だったのだ。ところが、米国と中国は6カ国協議復活を急いだ。しかも、この非公式協議のなかで、米国が拒否し続けてきた米朝協議は行われ、今後の6カ国協議のなかでも行われる。どうみても、米国と中国が北朝鮮との妥協を図ったと見るのが妥当だろう。 それはなぜか。わたしは、北朝鮮の動きいかんによって、米国と中国に大きな経済的被害が出るからだと考えている。もちろん、外交上の駆け引き、政治上のメンツもからんでいるだろうが、それよりも格段に大きいのが経済的