小沢一郎民主党元代表が離党届を提出したことに対し、お膝元(ひざもと)の岩手県をはじめとする東日本大震災の被災地からは「見ているのは被災地ではない」「人の揚げ足取りばかり」という厳しい声が相次ぐ。復興の道筋が見えず、被災者の政治不信は増大する一方だ。 「党ばかり増やしてどうするの」。同県陸前高田市で仮設住宅暮らしを続ける70代女性はそう話す。「小沢氏は被災地を顧みたことはない。結局、見ているのは自分の周辺ばかり。被災地とは関係のない人」と切り捨てた。 自宅を津波で流され、建設会社で働く同市の男性(58)は「今、党分裂なのか。一大事はほかにあるだろう」と語気を強める。 作業場の修理と並行して仕事を続ける毎日に、故郷が復興の道筋に乗っているという実感は湧かない。「(党を)壊して作っての繰り返しだが、その先に何があるのか。今まで被災地で何もしていない人がこれからできるわけがないし、期待することなん