1999年(平成11年)4月、山口県光市で当時18歳1か月の少年が母子二人を死亡させた、いわゆる山口県光市事件の被告人の死刑判決に対する上告が、本日最高裁判所において棄却された。 この事件は、第一審、第二審が無期懲役判決を言い渡したところ、第一次上告審による破棄差戻しにより、差戻控訴審で死刑判決が言い渡されるといった異例の事態を経てきている。 1983年(昭和58年)7月8日、殺害被害者の数を重視したいわゆる永山最高裁判決以降、死亡被害者2名の事案で、犯行当時少年であった被告人に対する死刑判決が確定するのは初めてのことである。 死刑については、死刑廃止条約が1989年12月15日の国連総会で採択され(1991年発効)、1997年4月以降、国連人権委員会(2006年国連人権理事会に改組)は「死刑廃止に関する決議」を行い、その決議の中で日本などの死刑存置国に対して「死刑に直面する者に対する権利