京セラの稲盛和夫・名誉会長が日本航空の会長に就任、再建の陣頭指揮を執る。カリスマ登板の背景は民主党との絆。体裁優先で、効果的な経営体制は二の次か。再建計画も実は形式的な内容で、再生は怪しい。2次破綻も視野に入ってきた。 会社更生法の適用を申請した日本航空の会長職に、京セラ創業者の稲盛和夫名誉会長が就任を内諾した際、メディアはこぞってその経営手腕を高く評価した。 稲盛氏は京都のセラミックメーカーで技術者として働いていたが、1959年、27歳の時に独立して京都セラミック(現京セラ)を設立。同社を連結売上高で1兆円を超える企業に育て上げた。84年には通信の自由化をにらみ、いち早く通信事業に参入。第二電電(現KDDI)を設立し、NTTの独占体制に風穴を開けた。 加えて若手経営者の指導にも力を入れ、同氏が主宰する経営者の会「盛和塾」には5000人超が集まる。こうした数々の実績から稲盛氏は「伝説の起業