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ブックマーク / diary.nttdata.co.jp (23)

  • 先見日記 Insight Diaries

    ドレフュスの尊厳 自宅にて 中東の情勢がいちだんと危機的になってきたときに、ジダンの頭突きの話をつづけるのもなんだが、ちょっとだけつけ足しておきたい。 12日の彼自身の説明によると、マテラッツィの挑発は下劣な罵言でよく使われるような「ママンと姉」を侮辱したものらしいから、おいおい、子どもじゃないのに勘弁してよと言いたくなる。フランス人の過半数が彼の行為を「理解」し、多くが「許す」と世論調査で答え、「ああ、デュラスが生きていたらすばらしい文章を書いたのに。崇高、必然的に崇高……」などとコメントした文化人までいて、うんざりした(先週引用したムヌーシュキンとちがって、おそらくサッカーが好きではないのだろう)。試合中は喧嘩しないという基ルールをプロが犯したら、アマチュアに与える悪影響ははかりしれない。それに、母親や姉妹を侮辱されて逆上する地中海沿岸域文化圏のメンタリティは、もういい加減

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    facet 2006/08/04
  • 先見日記 Insight Diaries

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    facet 2006/08/01
    バカンスの歴史は短いんだなあ vacances
  • 先見日記 Insight Diaries

    テュラムの涙 パリにて ツール・ド・フランス(フランス一周自転車レース)がドーピング疑惑の選手抜きでスタートを切り、アルルでは国際写真祭(ランコントル)がオープンし、エクサン・プロヴァンス音楽祭はワーグナーの『ニーベルングの指輪』(ステファン・ブロンシュヴェグ演出、サイモン・ラトル指揮)で幕をあけ、アヴィニヨン国際演劇祭(60回目)も始まった。でも、これら夏の大イベントの影が薄くなるほど、先週のフランスはワールドカップにそまっていた。 なにしろ、試合に勝ったあと、50万人とかがシャンゼリゼに繰り出して大騒ぎするのだ。準決勝後の晩には興奮のうちに車の放火(これもフランスのスポーツ?)やら喧嘩やら悲惨な事故やらが起きて4人も死者が出たのだから、尋常でない。「いっしょに楽しく騒ぐ機会がほとんどないってことだよね。そのためにワールドカップを待たなければならないのは悲しいけれど、みんなで喜

  • 先見日記 Insight Diaries

    自分でものを考える パリにて 6月は学年末なので、なにかと行事が多くてあわただしい。学校やスポーツクラブのお祭り、ピアノの発表会、来年度の登録、バカンスの準備……親にも気を配らなければならないことがたくさんある。サン・パピエ(非合法滞在の外国人)の子どもたちへの対処は少ししか緩和されなかったため、7月から国外追放の危険に晒される子どもとその親たちのことを思うと、贅沢な忙しさだけれども(「代父母縁組」参照)。 先週の土曜日は、息子が通った小学校のお祭りがあった。来年度から校長先生がブルターニュ地方へ転勤になり、最終学年のときの担任の先生は退職するというので、お別れもかねて遊びにいった。この小学校では、子どもの自主性を重んじ、生徒が自分で学習成果を評価する方式などもとり入れた教育法と教育理念が実践されていたので、息子はしあわせな年月を過ごすことができた。 フランスは第一次大戦後、自

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    facet 2006/06/27
  • 先見日記 Insight Diaries - 飛幡祐規 - 代父母縁組

    代父母縁組 パリにて 学年末の6月に入った。高校では来週から全国一斉にバカロレア(高校卒業資格)の試験が行われる(ワールドカップのときでかわいそうに)。息子はもう首を長くして夏休みを待っているが、スポーツの観戦やバカンスどころではなく、7月1日が来るのを恐れて学年末を過ごす子どもたちがいる。「国境なき教育網」に書いたサン・パピエの子どもたちだ。フランスの学校に通っている彼らに対して、サルコジ内相は昨年の10月、学年が終わる6月30日までは国外追放しないという執行猶予を約束した。ということはつまり、バカンスに入って教員と父母・生徒たちがちりぢりになったところで、どんどん国外追放を行うつもりなのだろう。それを危惧して「国境なき教育網(RESF)」が呼びかけた「私たちは彼らを庇護する」という声明文には、すでに4万人以上(2006年6月6日現在)が署名したが、同じ趣旨で、5月からフランス各

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    facet 2006/06/12
    「共和国の代父母縁組」「市民の代父母縁組」「市民の不服従」
  • 先見日記 Insight Diaries

    リニューアルの罠 パリにて フランスではサルコジ内相が、若者の非行予防に関する新しい法案を準備している。不登校の生徒についての情報を学区(教育省の管轄)から市長が得られるようにするなど、行政の監視権限を強める内容のため、「そんなことになったら全体主義の前段階だ」と強い批判が出ている。法案には「家庭の義務」が強調され、「“操行0点”なんてつけるな」で触れた子どもの発達を示す「操行手帳」案も含まれるらしい。子どもの精神・心理ケアの領域に行政が入り込んで、治安を目的に管理する危険に反対して、精神科医、精神分析医、心理学者などが3月に声明文を発表し、署名者数はすでに18万人を超えた。法案が国会に提出されれば、市民の反対運動もさらに活発になるだろうが、ひとつひとつ、大規模な市民の行動によって基的な権利を守っていかなければならない、なんときびしい世の中になってきたことだろう。世界のあちこちで

  • 先見日記 Insight Diaries

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    facet 2006/06/06
    語呂に無理ありすぎ(笑)
  • 先見日記 Insight Diaries

    長崎の被爆者とフランスの子どもたち パリにて 先週は貴重な体験をした。原爆被爆者の証言を出版し、体験を語り伝える活動をつづける「長崎の証言の会」代表の廣瀬方人さん(76歳)がフランスを訪れ、高校と小学校で証言した際に通訳として同席したのだ。 廣瀬さんら10人ほどの被爆者の証言と写真は、昨年秋にフランスで出版された『ヒロシマ・ナガサキ』というの中に収録された。このたびは、2003年から子どものための平和と非暴力文化イベント「鯉のぼり:世界の子どもの日」を主催するパリの日仏文化センター(パリ日文化会館とは別)での講演・原爆写真展を機に、被爆二世の太田千賀子さんと共に来仏した。フランスの若い人たちにぜひ被爆体験を話したいという廣瀬さんの要望を受けて、在仏アーティスト・アクティヴィストのコリン・コバヤシさんが学校訪問をアレンジした。4日間にパリ大学で3回、パリ郊外の高校で2回、パリ1

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    facet 2006/05/22
  • 先見日記 - 飛幡祐規 | 「総夢」の力

    「総夢」の力 パリにて 26歳未満の若者を2年間理由なしで解雇できる初採用雇用契約(CPE)法案を撤回させた運動について、日の主要メディアで「フランスはグローバリゼーションに適応できない遅れた国だ。いまだにデモやストで政府に対抗して非民主主義的だ」という論調が強かったという。彼らが参照する英米のメディアが事あるごとにフランスをけなし、物事をデフォルメして嘲笑したがる(逆も真かもしれないが)という事情もあるのだろうが、ちょっと反論しておきたい。 まず、これまでも書いてきたように、現代の資主義が要求する形での「雇用の流動化」を社会の前提条件にすることは、ネオリベラル思考にもとづいた見解だと思う。働く者(人間)の使い捨てに反対した大規模な社会運動の中に「既得権利にしがみつく」古い体質しか見ないのは、ここ十年ほどで地球の各地に別の世界観に支えられた市民運動(オルタナティブ運動)が広ま

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    facet 2006/05/16
    reve general / ↓(^^;
  • 先見日記 - 飛幡祐規 | 昏迷また昏迷

    昏迷また昏迷 パリにて 今フランスで、若者を対象にした雇用法CPE(初採用契約)をめぐって起きていることは、歴史的に重要な節目かもしれない。政府対学生・労組・反対派市民の全面的抗争にいたったフランス国内の情勢もさることながら、この運動の発した問いは、ネオリベラル経済が世界的に浸透する中、国境を越えた意味をもつと思うからだ。 3月30日に憲法評議会は「CPEは共和国憲法に違反しない」という結論を出した。評議員のうち議長以下7人が保守、2人が左翼によって任命された評議会が、政府に有利な評定を出すことは予測されていたが、この「合法」解釈は矛盾を内包している。なぜなら、2年に及ぶ試用期間中は理由なしに解雇できるという条項は、現行の労働法にも国際労働機関(ILO)の雇用終了条約(第158号。日は批准していない)にも違反するため、解雇された者は労働裁判所で闘うことができる(http://w

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    facet 2006/04/11
    第五共和政の行方や如何に
  • 先見日記 Insight Diaries

    200万人デモにいたるまで パリにて CPE(初採用契約)に対するフランスの抗議運動について先週、楽しいエネルギーに満ちたデモとか書いて写真も載せたけれども、この1週間で状況はかなり緊張感を増してきた。 3月18日のデモの解散後、ナシオン広場で一部の参加者と機動隊の衝突に巻き込まれた労働組合員(SUD-PTT連帯統一民主主義労組、郵便電話業連盟)が、現在昏睡状態にある。彼が機動隊員に殴られ、踏みつけられた場面を目撃した人たちの証言や写真があるが、警察・政府は別の説明を発表し、事実を「調査中」だ。機動隊がすぐに救急を呼ばなかったことは確かなので、家族と労組は訴訟を起こしている。 21日と23日には学生・高校生のデモがあったが、警察への攻撃や破壊、盗みが目的でデモに紛れる若者たち(「壊し族」と呼ばれる)の存在がぐんと目立つようになった。23日のパリのデモには、携帯電話やカメラ、バッ

  • 先見日記 - 飛幡祐規 | 不安定と未来の不安

    不安定と未来の不安 パリにて 先週書いたCPE(初採用契約)に対する抗議運動は、ますます広がった。3月16日のデモには高校生も大勢参加し、18日土曜の大学生・高校生、労働組合、政党の統一デモの前夜には、全国の大学長の代表がCPE実施の延期と反対側との話し合いを首相に要請したほどだ。 晴天に恵まれた18日のデモには、一般市民もたくさん加わった。主催側の発表150万人、警察発表53万人(全国)だから100万人以上だろう。パリでは約20万人、家族連れなどさまざまな世代が混じり合った壮大な規模だった。工夫をこらしたプラカードを持ち寄り、顔にペイントしたり仮装したりと、創意に富んだアピールを考えるフランスのデモは、楽しいエネルギーに満ちている。 でも、若者たちの元気な抗議のもとにあるのは、昨年の秋、恵まれない郊外で暴力として爆発したのと同じ将来への不安と、社会の中で自分を実現したいという

  • 先見日記 Insight Diaries

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    facet 2006/03/21
  • 先見日記 - 飛幡祐規 | 若者の力

    若者の力 パリにて 春先に多いあられやみぞれ、風を伴うにわか雨を、フランス語で「3月のジブレ」と呼ぶ。3月7日も、そういう冷たい雨が降っていたにもかかわらず、全国160か所で行われたデモには大勢の人が集まった。主催者側によれば100万人、警察発表でも40万人というすごい人出で、デモ隊の大部分を大学生と高校生が占めていた。 デモの目的は、26歳未満の若者を対象にした新しい雇用契約の法制化を阻止することだった。CPE(初採用契約)と名づけられたこの労働契約は、慢性的に高い若者の失業率を下げる名目で考えられた。昨年、フランスの若者(25歳未満)の失業率は22.8%(EU平均18.6%)で、全体の失業率9.6%の2倍以上に及ぶ。 で、経営者に若者を雇おうという気を起こさせるために政府が何を思いついたかというと、企業の社会保障負担額を免除するいつもの手に加えて、「採用強化期間」と呼ばれる

  • 先見日記 Insight Diaries

    “操行0点”なんてつけるな! パリにて ああまったく、頭にくることばかり。30年以上フランスに住んでいるけれど、こんなに次々とひどい政策が進められたことは一度もなかったんじゃないかな。労働法を壊す新しい雇用契約の法制化やら、外国人への規制をさらに強化する移民法案やら(いずれもそのうち書くことになるでしょう)、ネオリベとナショナリズムの結びついた反動化という点で、フランスと日の政府は妙に似てきたような気がする。先週もサルコジ内相がまたもや、とんでもない政策をもちだしてきた。 昨年秋の「暴動」後の人気上昇によって、ますます自信をつけたサルコジのデマゴギーと挑発的な物言いは、とどまるところを知らない。今度は、若者の非行を「3歳以前からの早期発見によって防ぐ」ときた。昨年の9月、国立衛生医学研究所という権威ある公の機関から、子どもの行動障害についての鑑定報告書が発表されたのだが、これが

  • 先見日記 Insight Diaries

    鍵をなくした パリにて フランスでは最近、ひどくショッキングな犯罪が起きた。三面記事の域を超えた何か重大なものを感じる出来事だ。 1月21日、パリ市内で働くイラン・アリミという23歳の青年が誘拐された。イランは、パリの南郊外バニユーにある団地内に3週間以上監禁されて暴行を受けた後、2月13日にバニユーから南に15kmほど離れた林の中に瀕死の状態で放置された。それでも歩いて林から出たが、救急車で病院に運ばれる途中、死亡した。 犯行はバニユーに住む若者たちのグループによるもので、45万ユーロ(約6300万円)の身代金を得るのが目的だった。イランの家族は、そんな大金はもっていないと交渉をつづけたが(それは事実だった)、警察が監禁場所をつきとめる前にイランは死亡した。首謀者の25歳の青年はコートディヴォワールに逃げたが現地で逮捕され、共犯とみられる18人がパリで取り調べを受けている(失

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    facet 2006/03/07
  • 先見日記 Insight Diaries - 飛幡祐規 - グローバルに考えてローカルに行動する

    グローバルに考えてローカルに行動する パリ13区にて フランスをはじめユーロランド各地ではユーロ導入以来、おそらく便乗値上げのせいで物価が高騰した。L’INSEE(国立統計経済研究所)によると物価指数はそれほど上がっていないのだが、野菜や果物、カフェで飲むエスプレッソ一杯、メトロの切符といったごく日常的なものの値段がぐっと高くなったのだ。DVDプレーヤーや洋服の値段が中国製のおかげで下がっても、毎日の生活必需品が上がっては暮らしはきびしくなる。現に、フランス人の野菜・果物の消費量は減ったというし、もうレストランに行けないとみんなぼやいている。パリにはお金持ちと旅行者がたくさんいるから、街はあいかわらず賑わっているけれども。 安くて豊富な野菜・果物はフランスや南ヨーロッパのとりえのひとつだったから、りんごやズッキーニが旬の季節に1キロ2ユーロ以上(1ユーロは約140円)するなんて許

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    facet 2006/03/02
    「農業を保持するための会」(AMAP)、「能動的消費者(Consom’acteurs)」「クラフト・フーズがフランス向けに、フェアトレードに見せかけたコーヒーのラベルをつくって売り出し」←今度ラベルを見てみよう[*]
  • 先見日記 Insight Diaries - 飛幡祐規 - 奴隷制廃止の記念日

    奴隷制廃止の記念日 パリにて 昨年10月25日付「過ぎ去らない過去」、12月13日付「これからの朝の色」でとりあげた「教育カリキュラムでは植民地におけるフランスのポジティヴな役割を認める」という条項(2005年2月23日法第4条)は、どうやらもうすぐ撤廃されそうだ。シラク大統領がドゥブレ国民議会議長に任じた委員会が期限より早く、「これは立法すべき内容ではないから、憲法評議会にそう断定してもらって撤廃すればいい」という結論を提出したのだ。議会での撤廃案は、多数派の与党UMP議員の反対によって既に却下されてしまったため、抜け道を考えたわけだ。シラクは与党議員の反発に対して先手を打って1月30日に演説を行い、「奴隷制・奴隷売買廃止の記念日」を今年から5月10日に定めると述べた。 問題の2月23日法は北アフリカ(とりわけアルジェリア)からの引き揚げ者を対象につくられたものだが、海外県のマ

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    facet 2006/02/07
  • 先見日記 - 飛幡祐規 | エレーヌの場合

    エレーヌの場合 パリにて 大晦日の晩から元旦の朝にかけて、フランスでは425台の車が燃やされ、前年(333台)より多かったけれども他の破壊はなかったし、特に危険な状況にもならなかったとのことで、「緊急事態令」は解除された。不当で危険な特別法の状況が終わってくれて、ほっとした。 年の初めだし寒い季節なので、ぽっと温かい気分になれるような話題を紹介しよう。新年早々、フランスでは異例の裁判が行われた。被告は、1980年にパリで銀行強盗に加わったがメキシコに逃れ、別の名のもとで2004年まで暮らしていたエレーヌ・カステル(社会学者、ロベール・カステルの娘)だ。ラファイエット通りのBNP銀行を襲撃し、人質をとって逃げようとした7人組(うち女性2人)のうち、ひとりは駆けつけた警官隊に発砲したため逆襲されて死亡、3人は捕まって84年の裁判で懲役(10年、8年、5年)を受け、ひとりは無罪になり、