ドレフュスの尊厳 自宅にて 中東の情勢がいちだんと危機的になってきたときに、ジダンの頭突きの話をつづけるのもなんだが、ちょっとだけつけ足しておきたい。 12日の彼自身の説明によると、マテラッツィの挑発は下劣な罵言でよく使われるような「ママンと姉」を侮辱したものらしいから、おいおい、子どもじゃないのに勘弁してよと言いたくなる。フランス人の過半数が彼の行為を「理解」し、多くが「許す」と世論調査で答え、「ああ、デュラスが生きていたらすばらしい文章を書いたのに。崇高、必然的に崇高……」などとコメントした文化人までいて、うんざりした(先週引用したムヌーシュキンとちがって、おそらくサッカーが好きではないのだろう)。試合中は喧嘩しないという基本ルールをプロが犯したら、アマチュアに与える悪影響ははかりしれない。それに、母親や姉妹を侮辱されて逆上する地中海沿岸域文化圏のメンタリティは、もういい加減