“「サラリーマン」はどのようにして生まれたのか” —— 『「就社」社会の誕生』 2010年12月1日時点での大卒就職内定率が68.2%と、調査を開始した1996年以降で最低となったことが、あらゆるメディアで報じられたことは、記憶に新しいことでしょう。この数値は、2000年代前半のいわゆる「就職氷河期」を上回る厳しさであり、長期化する不況のもとで企業側が採用を絞る傾向が続いています。こういった状況のなか、既卒者の採用枠拡大や、外国人留学生の積極的採用によるグローバルな人材の雇用・育成など、新たな人事システムへの取り組みを進める企業が増えつつあります。 学卒就職や終身雇用など、私たちが慣れ親しんできたいわゆる「日本的」雇用慣行・制度がすでに過去のものとなりつつあるかのようにみえますが、そもそもこれらの慣行・制度はいつ、どのようにして、そしてなぜ形づくられたきたのでしょうか? この壮大な歴史を鮮