小林製薬の「紅麹(こうじ)」成分が入ったサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、同社は26日、3年間摂取していた1人が腎疾患で死亡する事例が判明したと発表した。食品機能学が専門の近畿大産業理工学部、大貫宏一郎教授に問題の論点を聞いた。(聞き手 桑島浩任) 麹菌などの真菌(カビ)は毒素も含むいろいろなものを作るので、それが健康被害を及ぼした可能性は否定できない。小林製薬が事態を把握してから公表まで2カ月かけて検証し、発表で未知の成分に言及したことからも、何らかの当たりはつけているのではないかと思う。 ただ、機能性表示食品などの研究をしていると何かわからない成分が出てくることはままあることで、それがすぐに健康被害に直結するわけではない。その成分がなにか調べるには半年から1年以上の期間がかかることも珍しくはない。 一方で長年にわたって伝統食品などにも使われている紅麹自体を危険なもの