経済学にとって、「なぜ成長するのか」という問いは根源的なものだし、「資本ストックと労働供給量が増加すれば、生産量は増加する」というのがあまりに自明だとすれば、TFPに関心が向くのは当然だ。しかし、TFPは残差であって、直接に計測できるものではなく、中身が何なのかも特定しがたい。そして、そもそも、TFPに関心を持つ必要があるのかという課題設定についての疑問も湧いてくる。 実もフタもないが、1991年~93年にかけて成長率が落ちたのは、投資のGDP比率が落ちたからだし、1994年~96年にかけて上向いたのは、投資率が底入れしたからだ。1997年から2000年にかけて成長率が再び降下したのは、ハシモトデフレから投資率が下がったからである。投資の動きで十分に説明できるのだから、あえてTFPを持ち出さなくても済むような気がする。 むしろ、2001年から2008年にかけて投資率が上がり、設備投資は歴史
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