平年よりも早く東京で桜の開花が発表されました。予想では1週間から10日後に満開となる見込み。咲いていく可憐(かれん)な花を愛(め)でながら、これから飛び込む世界に希望をふくらませる時も▼先日、おいっ子の祝いの席がありました。4月から教職の道を歩む兄と20歳になった弟。孫の成長を喜ぶ祖父母のもとで開いた食事会で2人は感謝の言葉とともに、この先に臨む意気込みを語りました▼スーツを着た子の姿をまぶしそうに見つめる親。しかし、将来への不安は拭えません。ともに4年制の大学を選んだ兄弟の肩には500万円近い“借金”が重くのしかかっているからです。月々数万円もの返済。奨学金という名の学生ローンです▼いまや学生の半分が奨学金を借り、多額の借金を背負う若者は増えつづけています。社会に出ても非正規雇用の低賃金。サラ金まがいの取り立てに自己破産するケースも。日本の高学費と公的補助の低さは世界をみても最悪です▼奨